英チップメーカーのARMは現地時間7月30日、イスラエルのサイバーセキュリティ企業Sansa Securityを買収したと発表した。これにより、モノのインターネット(IoT)デバイスのセキュリティ対策を強化する考えだ。
なお、ARMは2月にIBMと共同で「mbed IoT Starter Kit」というIoTの開発キットも発表している。
今回の買収により、Sansaの保有する、埋め込みチップ向けのセキュリティ技術がARMのセキュリティポートフォリオの一部となる。
買収条件は明らかにされていないが、イスラエルの複数の報道によると、買収金額は8500万ドルから1億ドルだという。
Sansaは以前から、IoTデバイス向けのシステムオンチップ(SoC)を設計するARMに協力している。またSansaはARM以外にも、LGやFreescale Semiconductor、Google、Qualcommをはじめとする数多くの企業を顧客に抱えており、同社のセキュリティシステムは年間で1億5000万台以上の製品にインストールされている。
Sansaのチップセットレベルのセキュリティシステム「Sansa Silicon」は、こうした顧客をはじめとする多くの企業で採用されている。同社のセキュリティソフトウェアは、ウイルス対策システムやファイアウォールといった、より規模の大きなセキュリティアプリケーションがコンピュータやサーバといった機器に対して実行しているような機能を埋め込みチップ上で実現するものであり、チップに接続されたネットワークのトラフィックや、特異なアクティビティ、ネットワークの接続状況をチェックする。
Sansaは汎用のシリコンチップシステム以外にも、複数のメーカーのチップや、さまざまな製品に搭載されているチップ向けの特殊なモジュールを開発しており、スマート電球を保護するセキュリティシステムといったものまで実現している。
Sansa Securityの最高経営責任者(CEO)Coby Sella氏
提供:Sansa Security
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。