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社会科学や心理学も駆使--東大が文理融合でセキュリティを研究する理由

山田竜司 (編集部)

2015-08-22 07:30

 東京大学は4月1日から寄附講座「セキュア情報化社会研究(Secure Information SOCiety Research:SISOC)」を東京大学大学院情報学環内に設置。講座内で研究するグループであるSISOC-TOKYOのメンバーが8月6日に正式に発表された。

 この講座は、セキュリティをはじめとするサイバー空間に関する課題について長期的な視座から学際的に研究するとともに人材を育成し、政策を提言していくことを目的にしている。


東京大学大学院情報学環 須藤修教授

京大学大学院情報学環 学環・学府長 佐倉統氏

 産官学の協力の下に広く人材を集め、実際に生じている社会的かつ国際的な課題に対し、テクノロジ面のアプローチのみならず情報を漏えいする人の心理などを含めた社会科学的なアプローチも取り入れて調査研究、情報発信に向かうという。

 代表教員となる東京大学大学院情報学環教授の須藤修氏は「高度化したサイバー攻撃はテクノロジが中心のアプローチでふせぐことが困難。セキュリティ技術ではなくインシデントに特化した取り組みが中心」と説明した。

 具体的にはID管理や認証などの技術関連に加え、セキュリティと現代社会など、なぜ内部犯行におよぶかといった心理学の要素からも研究する。教育的見地からは、官民問わず情報分野でのセキュリティ維持と危機管理に即応できる専門的人材の養成と教育を目指す。セキュアな情報化社会の構築に貢献するとしている。

 研究方針はサイバーセキュリティ問題を解決するためだけでなく、情報通信分野に横たわる広範なサイバー空間に関する研究課題を発掘、検討、再定義するとした。

 具体的な研究対象としては、上場企業におけるセキュリティインシデント発生後の企業価値に与える影響など、社会科学的な研究群とID管理や生体認証技術などの研究活動を推し進めるとともに学部や専門にとらわれない研究領域での研究成果を追求する。

 人材育成策として、サイバー攻撃を摸擬的に実演できる環境(演習用サイバーレンジ)を構築し、学歴年齢を問わないサイバーセキュリティの専門家を招へいし、実地訓練による人材育成とともにハッキング防御技術やセキュリティ耐性を評価する。

 寄付講座の設置期間はこの4月から5年間。ディー・ディー・エス代表取締役社長の三吉野健滋氏が寄付した。代表教員は須藤氏がつとめ、東京電機大学や名古屋工業大学大学院とも連携する講座教官陣は以下の通り。


 8月に共同研究課題のほかに研究者やサイバーセキュリティ技術専門家の公募を開始、演習用サイバーレンジを構築する。

 東京大学大学院情報学環 学環・学府長の佐倉統氏は「情報学環は15年以上文理融合の教育機関として機能しており、専門分野の違う研究者たちが集まり、研究、人材開発する場としては最適」と語った。

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