「変革」についての議論に終わりはない。変革を実現するIT部門の人々については、さらに多くの議論がある。しかし、変革を実現するためには、具体的に何が必要なのだろうか。そして、この魔法のようなプロセスを現実にするために、ITプロフェッショナルには何が求められているのだろうか。
提供:Honda Media Relations
BPI Networkが先ごろ発表したレポートでは、ビジネスリーダーが変革の実現に関して、以前よりIT部門に強く依存するようになったことが示されている。残念なことに、リーダーたちはしびれを切らし始めてもいる。
Dimension Dataの後援の下、250人の企業幹部を対象に実施されたこの調査では、大半(87%)の幹部が破壊的なテクノロジの戦略的意味を理解することに以前より多くの時間を費やし、より大きな注意を向けていることが分かった。70%近くの幹部は、テクノロジが自社の事業にとって、わずか5年前よりも「はるかに重要」になったと考えている。
「ビジネスリーダーは、近代的なデータセンターとクラウド対応テクノロジを組み合わせるハイブリッドITソリューションに、可能な限り早く移行したいと考えている。ビジネスを一変させる新しいアプリケーションと顧客体験が、より短期間で提供されることも求めている。拡大し続けるデータストアから、ビジネスに関する一層深遠な洞察を得ることも望んでいる。また、それらの実現に関して、IT部門により大きな責任を負わせたいという考えだ」
しかし、自社のIT部門の技術革新レベルを「良好」または「非常に優秀」と評価した回答者は半分以下(46%)だった。ほぼ同じ割合の44%の幹部は、自社のIT部門に低い評価を与えている。
ビジネスリーダーは、最新の技術や、顧客エンゲージメントとデジタル体験の新しいチャネルの採用に関して、自社がもっとよい働きをすることも望んでいる。自社のIT変革における必須事項の上位5つと考えられているのは、常に変化するビジネス要件への対応を改善すること、デジタル体験を競争力と見なし注力すること、破壊的テクノロジを理解し受け入れること、アプリケーション提供の時間を短縮し、質を上げ、コストを抑えること、そして、顧客エンゲージメント、顧客獲得、顧客サービスを改善する方法について再考することだ。
テクノロジの採用が妨げられる要因には、新しいテクノロジへの投資に関して合意や支持を得られないことや、情報セキュリティリスク、脆弱性、脅威を最小限に抑えることの難しさ、バックエンドシステムと顧客向けチャネルの統合などがある。
IT部門は、テクノロジを提供するチームであると同時に、技術革新を実現するチームにもなる必要がある。業績評価基準という点では、調査回答者の40%が、業績を高めるアイデアやソリューションをもたらすIT部門の能力はITインフラストラクチャの信頼性、拡張性、セキュリティと同じくらい重要だと考えている。データセンターに求められる変化には、従来型のデータセンターをクラウドと組み合わせるハイブリッドITへの移行(45%)、モダナイゼーションとアップグレード(45%)、サーバの整理統合(32%)などがある。
変革を起こすテクノロジのトップ5には以下が挙がった。
- 内蔵センサから送信されるリアルタイムのインテリジェンス--モノのインターネット(Internet of Things:IoT)(35%)
- 常時稼働し、拡張性と可用性に優れたウェブビジネスモデル(34%)
- ビッグデータ分析を利用したマイクロターゲティングとパーソナライゼーション (32%)
- ソーシャルメディアのデータマイニングと、より効率的なエンゲージメント(27%)
- スマートなモバイルデバイスとアプリケーションの急増(25%)
リーダーがこうした変化から期待するのは、ビジネス上の変化に対する俊敏性と応答性の向上(回答者の71%)、コスト効率の改善(60%)、市場投入時間の短縮(49%)だ。また、その実現に関して、IT部門がもっと積極的になることも求めている。この調査結果が、リーダーは早急に結果を出すため予算とリソースを投じるつもりがある、ということを意味しているといいのだが。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。