「Windows 10」のリリースを数カ月後に控えた2015年5月、Microsoftは、Windows 10でサービスとアップデートプロセスの管理機能をITプロフェッショナルに提供するという大きな計画があることを発表した。
そのプラン「Windows Update for Business」は、Microsoftが頻繁にリリースするフィックス、セキュリティアップデート、新機能をWindows 10ユーザーに提供する方法と時期について、ビジネスユーザーにこれまでより大きな権限を与えるというものだった。
筆者は米国時間7月29日以降、Windows Update for Businessの利用方法について、かなり多くのITプロフェッショナルから質問を受けている。これは申し込む必要があるプログラムだったのか。それとも、サービスブランチの「Current Branch for Business」と「Long Term Servicing Branch」を表す総称でしかなかったのか。
その質問に対する答えは複雑だ。
Windows Update for Businessはどうやって入手すればいいのかと尋ねたところ、Microsoftの広報担当者から、以下のような公式の回答(ではない)が返ってきた。
組織向けには、自社ネットワークドメイン上へのダウンロードの管理と制御が可能になるほか、Windows 10をインストールするかどうかと、その時期について決定できるようにするツールがあり、ITプロフェッショナルはこれを利用することができる。このアプローチは業界の慣行であり、顧客がアップグレードのインストールを決めた場合、ソフトウェアを段階的に導入して、インストールにかかる時間を短縮し、端末の準備が整っていること(たとえば、ディスプレイモニタを正常に動作させるのに必要なグラフィックスドライバを備えていること)を確認するものだ。
本当の答えが知りたい人は、Microsoft Virtual Academy(MVA)の最新プレゼンテーション「Preparing Your Enterprise for Windows 10 as a Service」(企業におけるWindows 10 as a Serviceのための準備)を見てほしい。Microsoftはこのプレゼンテーションを8月19日に公開した(最も関連性の高い情報は、「Staying Current with Windows as a Service」(Windows as a Serviceを最新の状態に保つ)と題された動画とスライドにある。その一部を本記事に掲載した)。
簡単にまとめると、こういうことだ。Windows 10には複数のサービス「ブランチ」、すなわち「Current Branch」(CB)、Current Branch for Business(CBB)、Long Term Servicing Branch(LTSB)などがある。MicrosoftはWindows 10の各フィックスとパッチのテスターとして、自社の従業員、600万人の「Windows Insider」テスター、Current Branchを使用するユーザーの力を借りている。
これまで明らかにされていなかったことだが、CBBを利用するビジネスユーザーは、フィックスや新機能の展開を12カ月遅らせることができる(Microsoftの過去のプレゼンテーションから、猶予期間は8カ月だと考えられていた)。この12カ月という期間には、新しいアップデートがCBに提供されてからCBBで利用可能になるまでの4カ月と、その後の8カ月が含まれる。