EMCが何らかの行動を起こす必要があるのは間違いない。Um氏は先頃、リサーチメモの中で次のように言及している。
IBMやHewlett-Packard(HP)、Oracle、Dellといった大手OEM(相手先ブランド製造業者)は、スタック全体でより広範な機能を構築および買収し、自社の独自技術をベースとする完全なコンバージドソリューションを提供することで、競争力を付けてきた。コーペティションがさらなる競争を生んでいる。われわれにとって、この摩擦はかなり明らかなことで、これは今後も拡大し続けると考えている。
結局のところ、EMCとVMware、Pivotalの再編は、もっと大きな何かの前触れにすぎないのかもしれない。EMCとHP Enterpriseは将来的に合併する可能性がある。EMCとの合併の話が報じられた後、HPの分社化計画が偶然ではないタイミングで発表されたことを思い出してほしい。結論として、当時のHPは買収するには巨大すぎる組織だったということだ。
MacquarieのアナリストであるRajesh Ghai氏によると、HPとEMCの合併は、変化する業界に後れをとることなく、コンバージドインフラストラクチャ分野でCiscoやDell、IBMといった企業に対抗できる可能性を秘めた組み合わせだという。
税に関する諸問題や規制のため、HPはEMCと合併したくても、2016年5月までそれを実行に移すことができない、とGhai氏は語っている。しかし、合併が現実になる可能性は高い。Ghai氏はリサーチメモの中で、「EMCがHP Enterpriseのようなほかの大手システムベンダーと革新的な合併を行う可能性は高い、とわれわれは引き続き考えている」と述べ、次のように付け加えた。
エンドマーケットへの注力と販売活動という点で、HP Enterpriseの方が現在のEMCおよびVMwareの事業と非常に調和し、売上高やコスト面でこの2つの組織の相乗効果は現状のHPよりはるかに明白なものになる、とわれわれは考えている。さらに、悪化する現在の状況、そして、ソフトウェア定義型アーキテクチャとパブリック/ハイブリッドクラウドへ向かう流れによって、両社は合併へと突き動かされるかもしれない。
EMCの可能性について考えると、統合には2年以上かかると考えられる。EMCとVMwareは合併する。その後、合併の結果誕生した企業がHP Enterpriseと合併する。今から2年後、テクノロジ業界を取り巻く状況は現状からさらに変化しているはずだ。EMCとVMware、HPを統合した企業のas-a-Serviceクラウド資産は、統合に注意を向ける必要のないAmazon Web Services(AWS)やGoogle、Microsoft、IBMなどの大手企業に影響を及ぼすのに苦労するだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。