EMCジャパンは1月29日、2015年の事業方針説明会を開催した。
2014年12月に代表取締役社長に就任した大塚俊彦氏は「“第2のプラットフォーム”と言われる現在のIT環境をクラウド、ビッグデータ、モバイル、ソーシャルメディアという4つの軸からなる“第3のプラットフォーム”に移行する前のステップとして、第3のプラットフォームのテクノロジをフル活用した“プラットフォーム2.5”を提唱する」と説明。これを実現するために、日本法人では製品やソリューションの強化、組織力強化、パートナーアライアンスの拡大、グローバリゼーションを進めていくとアピールした。
EMCジャパン 代表取締役社長 大塚俊彦氏
ブリッジとしてのプラットフォーム2.5を提唱
EMCがプラットフォーム変革として現行のテクノロジによるプラットフォーム2.0から一気にプラットフォーム3.0へ移管するのではなく、ブリッジとなるプラットフォーム2.5を提唱するのは、「プラットフォーム3.0になると、これまで多くても年に数回だったアプリケーション開発がアジャイル開発となり、月に数回、多ければ日ごとにアップデートすることになる」と単なるテクノロジの変更に留まらない変化が大きいことを理由として挙げている。
プラットフォーム2.5では、第3のプラットフォームのテクノロジをフル活用し、堅牢でありながらアジャイル開発を実現し、コスト効率を上げて、第2のプラットフォームからクラウドへの移管を進めることで実現するという。日本法人として2015年の重点施策として、次の4分野を強化していく。
- 製品やソリューションの強化として、XtremIOなどフラッシュ製品の拡充、ビッグデータ/データレイク向けソリューションの拡充としてIsilon、Elastic Cloud Storage Appliance、Software-Defined製品の拡充としてScaleIO、ViPR、コンバージドインフラストラクチャの拡充、ハイブリッド クラウド向けソリューションを拡充する
- 組織力強化として、ソリューション主導営業の強化、製品特化セールスの強化、サービスプロバイダー向け事業強化、包括的なITソリューションの提供に向けて人財を育成する
- パートナーアライアンス拡大として、国内におけるアライアンス関係を強化、サービス プロバイダー パートナーを拡大させる
- グローバリゼーションとして米EMC本社や各地域との連携強化、海外との人材交流
大塚氏は「プラットフォーム2.5を推進する製品やソリューションとしては、プラットフォーム3.0の技術を最大限活用し、ストレージ製品としては(オールフラッシュアレイ)XtremIOをはじめとしたフラッシュ製品の拡充、単一製品というよりもVblockやVSPEXなどコンバージドインフラストラクチャ製品群、ソリューションとしてはハイブリッドクラウドを実現する包括的な製品群を提供する」と説明する。
「プラットフォーム3.0向けには、ストレージ製品は(スケールアウト型NAS)Isilonや(SDSアプライアンス)Elastic Cloud Storage Applianceをはじめ、ビッグデータ時代を支えるラック型の新しいプラットフォームDSSDを2015年後半に提供することを予定している。さらにコンバージドインフラストラクチャ、ソリューションと、ストレージレイヤからITインフラ全般を支援する企業としての製品群を提供していく」(大塚氏)
EMCが出資するVMwareやPivotalなどとの関係について大塚氏は、「協力関係を持ちながら、競合製品とのビジネスを進めていくという従来からの緩やかな携体制は変わらないものの、営業とソリューションの一層の強化は進めていく」意向だ。
大塚氏自身は社長就任から2カ月弱経過し、「100社のユーザー企業、パートナー企業とお会いしてきた。米本社で幹部とのミーティングも行ってきた。今後、日本法人も成長分野を再定義し、それにあわせた体制強化を進めていきたい」と話している。