高知銀行は9月7日、サービス品質の一層の向上と行員の事務作業の効率化・厳正化に向けて、新営業店システムを導入したと発表した。同日から竹島支店で稼働を開始し、同年12月にかけて順次全営業店に導入する。
営業店システムは窓口業務や関連する事務処理を行うためのもので、高知銀行では新たなシステムを活用し、顧客の待ち時間の短縮のほか、従来以上にきめ細やかな対応やタイムリーな商品、サービスを提案する。
高知銀行の新営業店システムは、日立製作所が同社の統合チャネルソリューション「FREIA21+ for NEXTBASE」を活用して構築した。
FREIA21+ for NEXTBASEは、日立の地域金融機関向け共同アウトソーシングサービス「NEXTBASE」加盟行向けに、日立の統合チャネルソリューション「FREIA21+」を適応させた、NEXTBASEの標準営業店システム。
NEXTBASEは、勘定系、外接系などの基幹系システムを、地域金融機関向けの共同利用型として提供しているサービスで、各種情報系システムとの連携を円滑に行うための統合データベースシステムのほか、インターネットバンキングシステムを実現するサービスなど、採用行の経営戦略を実現するための各種サービスをメニュー化している。
新営業店システムの主な特徴は以下の通り。
顧客の待ち時間を短縮
上位責任者の承認を必要とする取引については、従来の磁気カードを用いた承認を廃止し、上位責任者が使用するPC上で承認作業を実施する検印ワークフロー機能を採用した。
また、従来は営業店システムの専用端末を利用する必要があった、勘定系システム内で管理されている取引情報の照会作業についても、上位責任者が使用するPC上で実施可能とした。これらにより、窓口行員が上位責任者による承認を受ける際や、上位責任者が勘定系システム内の取引情報を照会する際に、フロア内を立ち歩く手間を削減し、顧客の待ち時間の短縮を実現する。
きめ細やか、かつタイムリーな対応を実現
行員が窓口で各種手続きを行う際、端末に入力した口座番号をもとに、端末の画面上に顧客の属性や最適な商品、サービスなどに関する情報を自動表示する情報系連携機能を導入。これにより、行員は顧客一人ひとりに、よりきめ細やかな対応を行うとともに、タイムリーな商品やサービスの提案が可能となる。
窓口行員の事務作業を効率化・厳正化
新規口座開設や預金業務など複雑な処理を伴う手続きについて、必要な事務作業の流れを窓口行員が利用する端末画面上に表示する事務ナビゲーション機能を導入し、営業店から本部への事務作業に関する問い合わせ回数や手間を低減する。
また、今回刷新したスタンド型スキャナやプリンタでは、運転免許証などの本人確認書類を読み取り、機微な情報を自動的にマスキングした上でコピーできる機能を採用し、本人確認書類を顧客から見える場所で安全に取り扱うことを可能とした。
さらに、現金入出金機の自動精査機能や通帳伝票プリンタの媒体セット位置補正機能など各営業店端末の性能、操作性向上も図った。これらにより、窓口行員が行う事務作業の効率化、厳正化を図る。
高知銀行では同システムの導入後も、NEXTBASE加盟行との共同開発を含め、多様化する顧客ニーズに応じた機能追加や各種制度対応などを迅速・柔軟に実施していく方針。
また日立は、今後もFREIA21+ for NEXTBASEの機能拡充を図るほか、金融機関向けのさまざまなソリューションを提供し、金融機関の事務作業の効率化や、ATMやインターネットバンキングなどの各種チャネルを活用した営業活動支援やセキュリティ強化などを実現していく。