10月5日から、マイナンバー制度の最初のイベントである通知カードの送付が始まり、いよいよ2016年1月1日からマイナンバー制度の運用がスタートします。
この制度、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)により、税、社会保障、災害対策の3つの分野でマイナンバーを利用することになっています。9月3日に改正マイナンバー法が国会で可決、成立し、預金口座にマイナンバーを適用することや予防接種の履歴などもマイナンバーと結びつけて管理することなど、金融や医療の分野にまで、利用が拡大することになりました。
その一方で、簡易書留で送られることになっている通知カードの送付が郵便事情により遅れることになりそうだとか、企業の対策の遅れも報道され、10月以降混乱が生じることも想定されます。
とはいえ、すべての企業でマイナンバーの取り扱いは必須である以上、今からでも対策を講じていくことが大事です。この連載ではマイナンバー対策に出遅れがちな中小企業をターゲットに具体的な対策方法を執筆する予定です。
今回は、おさらいも含めて対策を講じるにあたって知っておきたいマイナンバー制度の概要を見ていきましょう。
マイナンバー制度の目指す社会とは
マイナンバー制度の目的として語られてきた「国民の利便性の向上」「行政の効率化」「公平・公正な社会の実現」は、現在の政府広報オンラインのホームページでは、図1のように3つのメリットとして語られています。