Cisco Systemsは米国時間10月5日、カリフォルニア州サンノゼ本社で開催したイベント「2015 Global Editors Conference」で、製造業と石油/ガス業界、電力業界、運輸業界におけるIoTソリューションとその事例を発表した。自動車製造工場向けのロボット監視プロジェクトでは、ダウンタイムの削減に寄与した結果、6カ月間で3800万ドルのコスト削減につながったという。
Ciscoは産業用ロボットを製造しているファナックと協力し、工場内でのロボットの稼働状況を監視し、ロボットが故障しそうなタイミングをそのデータから事前に予測してダウンタイムをゼロにするという「ゼロダウンタイム機能」(ZDT)を実現した。
この機能がない頃は、ロボットの診断データに対するリアルタイムでの遠隔アクセスが行えなかったため、その稼働状況を監視することができなかった。そしてロボットの故障によって1分当たり1万6000ドルの損失が発生する可能性もあった。
ロボットの稼働状況を監視できれば、自動車工場はダウンタイムを考慮することなくその生産能力をあますところなく発揮できる。FANUC Americaのロボット運用部門担当バイスプレジデントのAndy Denny氏は同イベントで、「これにより、故障が発生する数週間前にその事象を予測できるようになる」と語った。
このシステムは現在、1800台の製造ロボット上で稼働しており、2015年末までにその規模を2500台に拡大する予定だ。
またCiscoは、変電所向けのセキュリティシステムと、運輸システムのネットワークアーキテクチャも披露した。同社によると運輸システムの初の事例は、オーストリアのリンツを走るトラムの運行状況の効率化になるという。
センサからのデータストリームは、工場におけるダウンタイムを回避するのに役立つことになる
提供:Cisco
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。