デベロッパーの森ビルは、住宅事業を支える住宅営業・運営管理システムを刷新、9月に稼働を開始した。新システムでは、これまで課題となっていた賃貸と分譲の営業・運営管理業務を一元化するなど、大きな改善が図られている。構築を手掛けたSCSKが発表した。
都市計画を手掛ける森ビルは、東京都心部を中心に住宅・オフィス・商業施設などの開発・運営を手掛けている。近年では、拡大を続ける住宅事業やサービスの多様化への対応や住宅事業だけでなく、全社的な顧客関係強化のため、新たなシステムの構築が急務となっていた。
既存の住宅営業・運用管理システムにおいては、以下のような課題を抱えていたという。
- 賃貸事業と分譲事業の機能が分断しており、物件・顧客・営業情報の一元的なマネジメントが困難
- 複雑化している物件の所有形態・事業形態に対応できておらず、簡易な情報確認が困難
- 機能改変のたびに大きな時間とコストが発生
森ビルは、これらの課題を解消するために新システム導入の検討を実施、日本マイクロソフトの統合型CRMアプリケーション「Microsoft Dynamics CRM」を活用し、構築はSCSKに依頼した。Dynamics CRMは、クラウドと設置型のどちらにも対応した統合型CRMアプリケーション。
SCSKとDynamics CRMについての森ビルの評価は以下の通り。
- SCSKがアプリケーションからインフラ基盤、データセンター運用を一括提供した
- Dynamics CRMの顧客管理機能により賃貸事業と分譲事業の情報を一括管理できる
- Dynamics CRMはカスタマイズの自由度が高い
森ビル 住宅事業部事業推進部 課長 岡田好太氏は以下のようにコメントしている。
「今回の新システムのリプレースにより、顧客リレーションの強化と今後の事業展開に対応するための基盤構築を実現した。既存のスクラッチ型システムをDynamics CRMに適合させていく過程でさまざまな困難に直面したが、プロジェクトのチームワークで解決できた」