EMC、CSIRT構築運用支援サービス提供--人材、プロセス、技術の三位一体が必要

藤本和彦 (編集部)

2015-11-04 18:54

EMCジャパン RSA事業本部の水村明博氏
EMCジャパン RSA事業本部 マーケティング部長 水村明博氏

 EMCジャパンは11月4日、セキュリティ対策チーム(Computer Security Incident Response Team:CSIRT)の構築と運用を支援するサービス「RSA Advanced Cyber Defense(ACD)」の提供を発表した。昨今、大きな社会問題となっている高度な標的型攻撃に対抗するための体制作りに向け、アセスメントからコンサルティング、構築支援、運用支援、技術トレーニングまでを総合的に提供する。価格は個別見積もり、同日から販売を開始している。

 ACDは、セキュリティ脅威への対応に関する現状の把握、セキュリティ戦略、CSIRT運営の統合、テクノロジの導入、要件の優先順位付け、セキュリティ向上の計画立案などを支援し、セキュリティインシデントを迅速に検知、調査、修復できるように設計されたサービス。具体的には次の6つのサービスで構成される。

  • インシデントディスカバリ:セキュリティ情報イベント管理(Security Information and Event Management:SIEM)の「RSA Security Analytics」を一定期間設置し、ネットワークのパケットを取得、分析する。分析結果から不審な通信などのセキュリティリスクを説明し、対策を提案
  • アドバンスドセキュリティオペレーションアセスメント:現状のセキュリティオペレーションを組織体制、対応能力などの複数の観点から考察。あるべき姿とのギャップを明示して、短絡的、長期的な対処項目を提示
  • アドバンスSOC構築支援コンサルティング:あるべきセキュリティオペレーションの実現に向けて対応すべき項目について、テクノロジの導入だけでなく、インシデント対応プロセスや人材、組織などに関して、システムソリューションの実装や人材、プロセスを効果的に運用できるフレームワーク構築を支援
  • RSA SecOps構築支援&トレーニングサービス:セキュリティインシデント管理ツール「RSA Security Operation Management(SecOps)」の設計、構築サービス。同ツールの専用トレーニングの提供
  • セキュリティアナリストトレーニング:セキュリティオペレーションセンター運用スキル向上のためのトレーニング。マルウェア分析やイベント分析、インシデント対応コースなどを用意(基本的には英語開催、必要に応じて通訳を派遣)
  • セキュリティインシデントホットライン:インシデント発生時のテクニカルホットラインを提供。RSA IRアナリストがインシデントを分析し、解決のためのガイダンスを提供(英語対応、年間サブスクリプション)
RSAのStephen McCombie氏
RSAのStephen McCombie氏

 EMCジャパン RSA事業本部 マーケティング部 部長 水村明博氏は、「サイバー攻撃が世界共通の脅威となっていることは言うまでもない。CSIRTの運営に関しては、人材、プロセス、テクノロジが三位一体となって初めてサイバーセキュリティ対策を成功に導くことができる。そのあるべき姿についてはフレームワークが存在する。だが、そのフレームワークを各企業に適用していくためのノウハウ、経験、事例などが日本では必要とされている」と現状を分析する。

 RSAのAdvanced Cyber Defense Practiceでシニアマネージャーを務めるStephen McCombie氏は、「ACDは、RSAが米国を中心とする企業へのCSIRT構築、運用を支援してきた経験と、6万人の従業員を抱えるグローバル企業のEMCとして100カ国以上の拠点を監視する自社CSIRTの運用で培ってきた知見と方法論をフレームワークにまとめたもの。インシデント対応に関する3R、つまりレディネス(準備力)の強化、レスポンス(対応力)の向上、レジリエンス(回復力)の維持を備えたCSIRTの構築と運用を目指している」と説明した。

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