24時間365日無停止のFX取引を支えるシステムとは--SBIグループ

末岡洋子 2016年01月04日 08時00分

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 SBIグループのSBIリクイディティ・マーケットのシステムは、年間495兆円に上るFX取引高を持つ。それを支えるのは「HPE Integrity Superdome X」だ。Hewlett Packard Enterprise(HPE)が分社化前の2014年に発表したXeonベースのハイエンドサーバで、SBIリクイディティは同サーバ上にMicrosoftのWindows Server環境を構築した。

 世界最大規模のSQL Server 2014事例として知られるが、SBIリクイディティ・マーケットの専務取締役、およびSBI FXトレード代表取締役社長を務める尾崎文紀氏が12月初め、HPEが英ロンドンで開催した「HPE Discover London 2015」で”Superdome Xとミッションクリティカルシステム”のセッションに登場、導入の背景や今後の展望などいついて語った。

SBIリクイディティ・マーケット株式会社専務取締役、SBI FXトレード株式会社代表取締役社長の尾崎文紀氏
SBIリクイディティ・マーケット専務取締役、SBI FXトレード代表取締役社長の尾崎文紀氏

 SBIリクイディティ・マーケットはSBI証券、住信SBIネット銀行、SBI FXトレードの3社に対し、外国為替を売買するFX(外国為替証拠金取引)向けのマーケットインフラの提供とシステム開発を行うSBIグループ企業。FX取式は比較的新しい金融商品ではあるが、SBIリクイディティは通貨取引単位を千や万単位から1ドル、1ユーロなどと小口化することで、市場をリードしている。

 SBIグループでのFX取引高はすでに年500兆円規模に達しつつあり、口座数は約63万件、トランザクション数は60億を数える。24時間365日という文字通りミッションクリティカルなシステムを、HPEのサーバ製品とWindows Serverの組み合わせで支える。

 次期FXシステムでのSuperdome X採用について、尾崎氏は「FXトレードは24時間。安定性があり、ノンストップのシステムが必要だ」と述べ、できるだけ止まらないシステムを必要としていた経緯を明かす。同時に、重要なビジネス戦略である国外展開も視野に入れていた。「2015年夏に香港に現地法人を設立した。今後、ボリュームは現在の3~4倍に膨れると予想しており、増加に対応する必要があった」と尾崎氏。「Superdome Xは事業拡大のカギを握る」と続ける。

 同社は現在、Superdome Xを2台(合計32CPU/480コア、メモリ8TB)、それにオールフラッシュのストレージ「HPE SPAR StoreServ 7440c」を土台に、Microsoftの「Windows Server 2012 R2」「SQL Server 2014」、それにフェイルオーバークラスタの「Microsoft AlwaysOn」を組み合わせた環境を構築している。

 それまでのシステムは「HP ProLiant DL 980 G7」がベースとなっており、毎秒最大20トランザクションというパフォーマンスを維持してきた。しかし、ProLiant DLは8CPU/80コアという最大構成になっており、処理能力をさらに強化する必要があった。そこでSuperdome Xの導入に至ったようだ。

 性能テストではProLian DL 980を20%近く上回るなどの結果が出ており、これらの結果に「非常に満足している」という。尾崎氏は、「1秒の遅れで大きな損失がある」と述べ、Superdome Xの障害耐性に大きな期待を見せた。

 セッションでは、SAPのインフラとして「HPE Integrity Superdome 2」からSuperdome Xヘマイグレーション中という、ドイツのRI SolutionのITインフラ・オペレーショントップAndreas Stibi氏、Hewlett Packard Labsで進んでいるフラッグシッププロジェクト「The Machine」のシミュレーションにSuperdome Xを採用する同ラボのディレクターApril Mitchell氏がそれぞれの経験や期待を語った。モデレーターであるHPEの担当者が驚いていたのが、SBIリクイディティがWindows環境で大規模な取引システムを動かしているという点だ。

 HPEのモデレーターによると、Superdome XではLinuxなどのオープンソースコミュニティや各社と協業し、SAP HANA、Microsoft Windows Server、SQL Server、VMware vSphereなどの親和性を強めているとのこと。HPE自身もSAP ERPの顧客としてSAP HANAへの移行プロジェクトを進めている。「このような我々とパートナーとの取り組みを顧客が活用していることは嬉しい」と続けた。

 尾崎氏によると、同社の今後の課題は、進行中のアジア市場への拡大、特に中国市場への進出を進めていくことだという。「アジアの人々はFXに興味を持っている。日本のFX取引システムは世界的にみて高度であり、このビジネスモデルを輸出することで、FXビジネスを拡大させる」と述べた。

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