ホテルチェーンのHyattは、同社の経営するホテルの半数近くがマルウェアに感染し、顧客のカード情報が盗まれたおそれがあることを明らかにした。
Hyattによると、2015年8月13日~12月8日にかけて、同社の経営する627のホテルのうち250が情報を抜き取るマルウェアに感染したという。一部のホテルは2015年7月30日の時点で既に感染していた可能性もある。
Hyattは被害を受けた世界各国のホテルのリストを公開している。
リストを見ると、米国や英国、中国、ドイツ、日本、イタリア、フランス、ロシア、カナダなど、54カ国のホテルが今回のセキュリティ侵害の被害を受けたことが分かる。
マルウェアに感染したホテルが最も多かったのは中国とインド、米国で、それぞれ22、20、99のホテルのシステムが被害を受けた。
Hyattによると、調査の結果、「Hyattの経営する一部施設内で使われたカードの決済カードデータへの不正アクセスの兆候」が確認されたという。
マルウェアは主にレストランや一部のスパ、駐車場、ゴルフショップで発見されたが、フロントデスクの受付システムや営業所も影響を受けた。
Hyattによると、問題のマルウェアは、カード所有者の氏名やカード番号、有効期限、内部認証コードなど、現地での決済認証に使用されるカード情報を盗み出すように設計されていたという。こうした情報は、感染したHyattの決済処理システムを通過した際に取得されたという。
Hyattのオペレーション担当グローバル・プレジデント、Chuck Floyd氏は発表の中で、次のように述べた。
弊社はお客様のデータのセキュリティを非常に深刻に受けとめております。今回はお客様にご不便とご心配をおかけしましたことを深くお詫びいたします。
Hyattでは現在、カード所有者の氏名の記録がある顧客に郵便や電子メールで通知している。当局にも既に通報済みだ。同社によると、連絡先が不明な場合もあるので、影響を受けた顧客すべてに通知できない可能性もあるという。
Hyattはデータを盗まれたおそれのある顧客に対し、CSIDを通して1年間のクレジット監視を提供する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。