クラウドサービスをデータやアプリケーションのバックアップに利用している組織や、利用を検討中の組織は増えている。これは、その方が新しいデータセンターを建設したり、機材を買い足すよりも安く済むからだ。しかし、バックアップやディザスタリカバリ(災害復旧)にクラウドを利用するにはコツが必要だ。この記事では、クラウドをバックアップや災害復旧に利用する計画を評価する際に念頭に置いておくべき、10のベストプラクティスを紹介する。
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1.クラウドにあまり使わないデータをバックアップ、保存する
今やデータは2年ごとに倍増しており、2020年には44ゼッタバイト(4兆4000億ギガバイト)に達するという予想もある。同時に、データを保有する企業が、どの程度そのデータを積極的に利用するかについては、明らかになっていない。企業がそれを真剣に模索したとすれば、データの大半が、ほとんどアクセスされることのないハードディスクやテープドライブの山の中にあるのを発見するはずだ。企業のデータマネージャーは、山のようなデータがほとんど使われていないことに気づいているが、経営陣からその古いデータを使用した長期的なトレンドに関する分析を要求された時のことを恐れて、データを処分できずにいる。これは、あまり利用されないデータをアーカイブするクラウドベースのソリューションが有効な分野だ。この種のデータは、クラウド上に保管した方が、社内でデータセンターの設備やストレージを用意するよりも経済的だ。
2.中小企業では、クラウドを災害復旧のための主なバックアップ手段として検討する
多くの大企業とは違って、中小企業は自前のデータセンターでバックアップや災害復旧のための完全なソリューションを用意するだけの経済的な余裕がない。これに当てはまる場合、フルバックアップと災害復旧に特化したクラウドベースのサービスを利用することは、理にかなっている。
3.大企業では、クラウドを二次的な「フォローザサン」バックアップおよびフェイルオーバープラットフォームとして使用することを検討する
多くの大企業は、社内にバックアップや災害復旧のためのリソースを持っているが、特に多国籍企業が、世界中に分散しているオフィスでバックアップおよび災害復旧を行うための戦略的な冗長性を求めている場合には、バックアップや災害復旧の少なくとも一部にクラウドを利用することは理にかなっており、柔軟性にも優れている。これによって、新たなデータセンターや施設を地理的に分散させて建設する必要もなくなる。
4.災害復旧計画を再検討する
アプリケーションをクラウドにアウトソースする際に、災害復旧計画を更新しない企業は驚くほど多い。バックアップや災害復旧にクラウドを使用することを決定した場合でさえ、更新しない場合もある。新たにクラウドを使用する場合は、それがプライベートクラウドであっても、必ず災害復旧計画の見直しと更新を行うこと。
5.毎年クラウドプロバイダーのテストを行う
ミッションクリティカルなアプリケーションやバックアップ、災害復旧のホスティングにクラウドプロバイダーを利用している場合、災害復旧とフェイルオーバーのテストを、少なくとも1年に1度は行う必要がある。この条件は、クラウドプロバイダーとの契約に明記すべきだ。
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