海外コメンタリー

あなたの部下はなぜ付いて来ない?--優れたITリーダーの条件とは

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-03-07 06:00

 IT部門のリーダーが果たすべき役割はますます大きくなっている。技術の進歩を最大限に活用でき、IT部門の内部だけでなく外部の人間に対しても働きかけられるリーダーの存在は、どのような企業にとっても有益だ。

 これは、Financial Timesの最高製品・情報責任者であるChristina Scott氏が指摘する傾向だ。「テクノロジは現代企業の核にならざるを得ない」と同氏は言う。「最高情報責任者(CIO)は取締役会の一員であるべきだし、組織内の他部門の責任者と同じ発言力を持つべきだ」

 企業の経営層にこのような変化をもたらすITリーダーの数が増えていることは分かっている。賢明なCIOは、単にIT部門の業務に責任を持つだけでなく他の部門とも関わり合い、テクノロジを活用した明るい未来へと組織全体を導く。

 では、優れたCIOとはどのような存在だろうか。優れたリーダーの特長や資質はどのようなもので、CIOはどうすればその能力を身に付けることができるだろうか。

1.事業部門に部下の能力を示す

 ホテルチェーンglhの最高技術責任者(CTO)を務めるChris Hewertson氏は、成功するリーダーの特徴は、部下を信頼していることだと言う。昨今のCIOはさまざまな役割を負っており、IT運用よりも、ビジネス上の課題に多くの時間を割くことを期待されている。

 「何もかも自分でやることはできないのだから、自分のチームには絶対の信頼を置く必要がある」と同氏は言う。

 Hewertson氏は、自分が素晴らしいチームを持てて幸運だったと話しているが、同氏が2012年にglhに加わったときには、スタッフは適切に活用されていなかったとも考えている。Hewston氏は、信頼できる副リーダーに責任を負わせ、仕事を任せるように努めた。同氏が現在の地位に就いてからの報告はすべて会社の上層に伝わり、部下は責任ある役割に昇進した。

 「わたしの経験から言えば、概して人を信頼すべきだ。役割を与えて、正しいことをしようとする時に支援すれば、人は育つ。より重要なことは、部下が間違ったときにも支えることだ。ただ攻撃するだけではいけない」とHewerton氏は言う。

 「部下を表舞台に出して、組織の他の部門に部下の存在を知らせつつ、ひどい仕事からは守る必要がある。自分のチームは、自分を反映したものだ。チームが優れていれば、周囲の人はリーダーも優れていると考える」(同氏)

2.誠実さ、現実主義、方向感覚の3つを等しく重視する

 製造業のMessier-Dowtyで地域の情報システムマネージャを務めるDoug May氏は、優れたリーダーシップには誠実さ、現実主義、優れた方向感覚の3つの要素が必要だと述べている。「リーダーは現実主義的でなくてはならず、変化するビジネスの目的に合わせられる必要がある」と同氏は言う。

 「さらに言えば、不誠実な人間には誰もついてこないし、何も任せられない。また、優れた方向感覚は絶対に必要だ。自分がどこに向かっており、IT部門が事業部門のために何を達成しようとしているかを把握していなくてはならない」(May氏)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]