将来のサイバーセキュリティプロフェッショナルを育成
DETERLabは、研究者がテストを行うことのできる制御環境であるだけでなく、教育用ツールでもある。DETERLabの発足後、8600人の学生が40の機関で提供された100のDETERLab関連クラスの中から選択している。
DETERLabを利用するのは、学生だけではない。DETERLabは共有と検証を行う素晴らしい機会を研究者に提供する。ペンシルバニア大学の研究者であるSandy Clark氏は、「私は自分のデータを世界のあらゆる場所の科学者に公開し、彼らに実験を行って結果を報告してほしいと伝えることができる。それは、査読と検証に欠かせないことだ」と述べた。
DETERの今後
DETERの成功で自信を得たBenzel氏と同僚たちは、インターネット犯罪への新たな対策に必要なものを提示した。「将来に対するわれわれのビジョンは、運用を調整しデータを共有することのできる、全米規模で相互接続されたテストベッド群の実現だ。DETERは基盤としての機能と『学んだ教訓』集の両方を提供して、われわれがそのビジョンを実現するのを後押ししてくれるだろう」(Benzel氏)
Cybersecurity Experimentation of the Future(CEF)とともに、Benzel氏と同僚たちは、将来に対するビジョンの実現に取り組んでいる。コミュニティーベースのプロジェクトであるCEFでは、学会や産業界、政府の専門家と研究者を集め、特に以下のことを重視して証明済みの科学的方法を応用することで、サイバーセキュリティの効果を高めている。
- 複雑なシステム、人間とコンピュータのインタラクションに関して、実験的な方法と手法の分野を進歩させる。
- データを共有して、組織間の問題意識とコミュニティー構築を促す。
- 実験用インフラストラクチャの機能を向上させる。
同グループは最初のステップとして、「Cybersecurity Experimentation of the Future (CEF): Catalyzing a New Generation of Experimental Cybersecurity Research」(未来のサイバーセキュリティ実験(CEF):新世代の実験的サイバーセキュリティ実験を促進する)を発表している。この164ページのレポートでは、先述した目標をどのようにして実現するかということについて詳しく説明されており、最初に以下のことが書かれている。
DETERLabのあるデータセンター
提供:Courtesy of Terry Benzel and the DETER Project