MSN、NYTなどのウェブサイトがマルバタイジングの被害に--セキュリティ企業ら報告

Charlie Osborne (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2016-03-17 11:11

 BBC、The New York Times、AOL、MSN、answers.comなど世界的に人気のウェブサイトが悪意ある広告キャンペーンの犠牲になっているようだ。何も知らない訪問者が「Angler Exploit Kit」の被害にあっている。Angler Exploit Kitは「TeslaCrypt」ランサムウェアを拡散する場合がある。

 多数のセキュリティ企業が、先週末に悪意あるトラフィックが急増したことを検出、報告している。Trustwave、Malwarebytes、Trend Microの研究者らは、悪意あるトラフィックの急増がAlexaで上位にランクされているWebサイトに影響しており、悪意ある広告主によるマルバタイジング(オンライン広告を介した悪意ある行為)がこれを引き起こしていると述べている。

 このマルバタイジングキャンペーンはAnglerエクスプロイトキットを利用している。同キットにはランサムウェアだけでなく、監視とデータ窃盗に利用するトロイの木馬も含まれている。

 Trend Microによると、同キャンペーンのスタート後わずか24時間で数万人単位のユーザーが被害にあった可能性があるという。

 今回のマルバタイジングを利用したサイバー攻撃は「悪意ある目的のために、小規模だが合法的な広告企業の期限切れのドメイン(BrentsMedia.com)を取得した」とTrustwaveは見ている。これにより、高ランクについているWebサイトを悪用できるからだ。

 「確実なことはわからないが、BrentsMediaはおそらく合法の企業だったのだろう。今回のオペレーションを展開している人々は、ドメインの知名度を悪用して悪意ある広告を発行するように広告企業をだましたのではないか」とTrustwaveは予想している。

 このキャンペーンで使われている難解なJavaScriptファイルには、1万2000行以上のコードが含まれているという。できるだけ長期間にわたって検出を防ぐよう細工されているとのことだ。

 Malwarebytesの研究者らもマルウェアをもたらす複数の不正なドメインをリストアップしている。主なマルバタイジング手法と関連があるかは定かではない。

New York TimesなどのWebサイトがAnglerエクスプロイトキットを拡散するマルバタイジングの被害に
提供:Malwarebytes

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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