Adobe Systemsが「Marketing Cloud」を強化する。共通のユーザーインターフェイス、コアツールとのさらなる統合、モバイル向けの強化、新しい分析機能などが加わる。
AdobeはMarketing Cloudでこれまで以上に顧客体験(エクスペリエンス)にフォーカスする方針だ。同社は米国時間3月22日、ラスベガスで開催中の年次イベント「Adobe Summit」で詳細を発表した。
データサイエンス関連では複数のデジタルマーケティングアルゴリズムを加え、スマートタグ、オーディエンスのセグメント化、ライフタイムの価値予測、自動での広告インサイトなどの機能を提供する。新しいアルゴリズムはAdobeサービス全体で利用され、「Photoshop CC」のコンテンツ認識技術、「Document Cloud」での画像処理などがメリットを受ける。
Adobeは、コンテンツ、データサイエンス、アナリティクスを組み合わせて複数の画面に対してマーケティングメッセージを届けることができるユニークな立場にあると、ビジネス開発と戦略担当バイスプレジデントJohn Mellor氏は述べる。
Mellor氏はまた、デジタルマーケティングはエンタープライズディスラプションの新しい波であるとも述べる。「Marketing Cloudはエクスペリエンスビジネスの最前線にある」とMellor氏。「コンシューマーは新しくユニークな方法でブランドとインタラクションしたいと思っており、これがエンタープライズを土台から変えるだろう」と続ける。
Adobeはクリエイティブなコンテンツとともにエクスペリエンスを提供する計画だ。Google、Salesforce、Oracleなどの競合は、データを利用して適切なマーケティングを適切なタイミングで行うことにフォーカスしている。「コンテンツがわれわれの切り札だ。エクスペリエンスはタイミングやチャンスを定義することではない。エクスペリエンスを届けることだ」とMellor氏は述べた。
Marketing Cloudの強化に加えて、Adobeは開発者向けポータルの「Adobe.io」も開設する。このポータルは、Adobeのサービスと接続できるAPIを提供するものだ。Adobeは以前、コアサービス向けに複数のAPIを提供していた。これは、同社のデジタルマーケティング事業が複数の企業買収により構築されているためだ。
「これらのAPIを接続して統合し、強化することは課題だった」とMellor氏は述べた。Adobe.ioはMarketing Cloud、Creative Cloud、そしてその他のAdobeサービス向けのAPIを1カ所に集めたものとなる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。