インフォテリアは3月28日、異なるシステム同士をデータ連携させるソフト「ASTERIA WARP」(関連記事)の強化策として、データ接続ドライバソフト「CData JDBC Drivers」を開発している米CData Softwareとの事業提携を発表した。CData JDBC Driversを使うと、ASTERIA WARPから接続できるシステムが一気に60種類以上増える。
提携ではまず、CData Softwareの日本法人「CData Software Japan」(宮城県仙台市)を5月に共同で設立する。資本金は1000万円で、出資比率は非公開。日本法人は、国内でのマーケティング活動のほか日本独自のドライバ開発などを予定する。
提携ではさらに、CData Software製品のOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受け、ASTERIA WARPのオプション製品として自社ブランド名で販売する。インフォテリアは、日本法人を設立する5月頃にOEM製品の製品名や出荷時期などを発表する。
インフォテリアにとっての事業提携のメリットは、ASTERIA WARPとCData Software製品を組み合わせることでASTERIA WARPから接続できるシステムを60以上一気に増やせること。インフォテリア代表取締役社長の平野洋一郎氏は、「接続できるシステムが増えれば増えるだけ、ASTERIA WARPの価値が高まる」と、その意味を説明する。
CData Software製品によって接続できるようになるシステムの例として、顧客情報管理システム(CRM)やマーケティングのSugarCRMやGoogle Analytics、統合基幹業務システム(ERP)のDymanics AXやNetSuite ERP、グループウェアのExchange ServerやOffice 365、ビッグデータ用データベースのBigQueryやApache Cassandra、SNSのTwitterやFacebookなどがある。
60種類のデータソースに接続できるJDBCドライバ
ASTERIA WARPは、異なるシステム同士をノンプログラミングでデータ連携させられるツール。各種アダプタを介して業務ソフトやデータベースに接続し、これらのデータをルールに基づいて変換し、外部システムに引き渡す。こうしたジョブフローを定義して実行できる。特徴の1つは、アダプタによってさまざまなデータに接続できること。
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一方のCData JDBC Driversは、アクセス手段やデータ形式がそれぞれ異なるさまざまなシステムに対して、データベースとしてアクセスできるようにするデータ接続ドライバソフト。例えば、XML/JSONなどのデータ形式を扱いやすいテーブル形式に変換する。60種類を超えるデータソースに、ODBC/JDBC/ADO.NET各種のアクセス手段でアクセスできるようにしている。
ASTERIAはもともと、デザイナ画面から任意のJDBCドライバを登録して使うことができる。このため、CData JDBC Driversを組み合わせるだけでさまざまなシステムに対してJDBCを介してデータベースとしてアクセスできる。
今回インフォテリアは、CData JDBC DriversをASTERIA WARPのオプション製品として組み入れるにあたって、デザイナ画面で使えるアイコンを用意するなど、使い勝手を高めるとしている。また、JDBCドライバだけでなく、ASTERIA WARP専用のドライバも開発して提供する予定。
CData JDBC Driversは、2015年から日本国内の販売代理店を介して提供している。販売代理店は現在2社で、グレープシティ(宮城県仙台市)とコンポーネントソース(東京都千代田区)。日本国内でのOEM供給は今回のインフォテリアが初めて。
(左から)CData Software Japan 代表取締役 疋田圭介氏、CData Software プレジデント Gent Hito氏、インフォテリア 代表取締役社長 平野洋一郎氏、インフォテリア ASTERIA事業本部長 熊谷晋氏