クラウドとオンプレの“共存協栄”を狙う「ASTERIA WARP」の強み

鈴木恭子 2015年02月23日 16時44分

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 データ連携ミドルウェアなどを開発、販売するインフォテリアは2月18日、東京都内で同社のプライベートコンファレンス「ASTERIA Cloud Conference 2015」を開催した。同社代表取締役社長で最高経営責任者(CEO)兼最高製品責任者(CPO)である平野洋一郎氏は「『クラウド活用』と『データ連携』でつなぐ情報システム改革」をテーマに講演し、「ITリソースを最適化するクラウドは企業に革命をもたらした。現在はクラウドを軸に、新たなITエコシステムが創造されている。このトレンドは今後も加速する」と語り、クラウドの重要性を訴えた。

 冒頭、平野氏は同社が日本で最初のXML専業ベンダーとして創業したことに触れ、「1998年からわれわれはデータ連携の必要性を提唱してきた。エンタープライズアプリケーション統合(EAI)ソフトであるASTERIAシリーズは、EAI市場でトップシェアを占めている。2008年にクラウド上で稼働する『ASTERIA On Demand』をリリースしたが、非常にニーズは高い」と語り、ASTERIAシリーズとクラウド環境との親和性を強調した。

平野洋一郎氏
インフォテリア 代表取締役社長 CEO兼CPO 平野洋一郎氏

 同社は2月12日、ASTERIAシリーズの最新版となる「ASTERIA WARP 4.9」を発表している(3月10日から出荷)。ASTERIA WARPは、異なるシステムに格納されているデータをノンプログラミングで連携するミドルウェアだ。メインフレームやクラウド環境にあるデータを自動で変換し、連携する。同社によると4600社以上の企業で導入されているという。

 ASTERIA WARP 4.9ではAmazon Web Services(AWS)とのデータ連携が強化された。具体的にはAWSのデータ分析基盤である「Amazon Redshift」と社内システム間をシームレスに統合し、社内システムや業務プロセスを変更することなくデータを運用、管理できる。

 AWSアダプタに備わっている各種画面も一新し、より直感的で使いやすくなった。これにより管理者は、AWS特有のAPIなどを意識することなくシステムを構築できるようになるという。

 基調講演には、アマゾン データ サービス ジャパンでマーケティング本部本部長を務める小島英揮氏がゲストスピーカーとして登壇。AWSが提供するクラウドサービスについて語った。

小島英揮氏
アマゾン データ サービス ジャパン マーケティング本部 本部長 小島英揮氏

 小島氏は、AWSの“生い立ち”について、「アマゾン社内でITリソースを使いたいときにすぐに利用できないという課題を解決するために生まれた」と紹介。「必要なときに必要なリソースを低価格で提供するサービスがあれば、ユーザーはIT管理に煩わされることなく、スピード感を持って本業のビジネスに集中できる。われわれがそうした環境を必要だったからこそサービス化した」と説明した。

 パブリッククラウドサービス市場でAWSは圧倒的なシェアを占めている。2014年10月に米国の調査会社であるSynergy Research Groupが公開した「2014年第3四半期におけるクラウドインフラストラクチャ市場におけるシェアトレンド」によると、AWSのシェアは27%でトップとなり、2位のMicrosoft(10%)を大きく引き離している。

 小島氏は、企業ITのAWS移行を促進した3つの特徴として「仮想プライベートクラウド」「専用線接続サービス」「商用ライセンスのAWSへの持ち込み」を挙げる。中でも企業で活用されているSharePointやExchangeといったソフトウェアをAWS上でも利用できる、「いわゆるBYOL(Bring Your Own License)が可能であるアドバンテージは高い」(小島氏)という。

 「オンプレミス上で稼働しているWindowsベースのシステムをAWSにマイグレーションできる。データがクラウドに移行されれば、当然アプリもクラウド環境にある方が管理しやすい。今後はBI(ビジネスインテリジェンス)などデータと密に連携するアプリはクラウド環境への移行が進むだろう」(小島氏)

 最後にインフォテリアの平野氏は、「ASTERIA WARP 4.9は、クラウドとオンプレミスを『共存“協”栄』させるものだ。ビジネス部門とIT部門、ユーザー企業とシステムプロバイダーとがそれぞれ共存“協”栄し、双方が発展していくような環境を支援していく」と語り、講演を締めくくった。

平野氏は「ASTERIA WARP 4.9のコンセプトは『共存“協”栄』だ」と力説した
平野氏は「ASTERIA WARP 4.9のコンセプトは『共存“協”栄』だ」と力説した

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