オラクル、Java関連訴訟でグーグルに93億ドルの損害賠償を請求へ

Liam Tung (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2016-03-30 10:58

 Oracleは、Googleに対して93億ドルの損害賠償を請求できると考えている。その金額の大半は、Googleが「Android」でJavaプログラミング言語を使用した結果得られた利益などに基づいているという。

 GoogleがAndroidを開発する際に37のJava APIをコピーしたことがフェアユース(公正な使用)に当たるかどうかをめぐって、長期間の争いが繰り広げられてきている。両社は5月に米サンフランシスコ連邦地裁で再び対決し、この争いに決着をつけようとしている。Androidは今では、世界で最も広く使われているモバイル機器向けOSとなっている。

 米地方裁判所による、APIの使用は著作権の保護対象とならないという裁定を覆した控訴裁判所の判決に対するGoogleの上告は、2015年6月に米連邦最高裁判所によって棄却されている。

 Oracleは元々、10億ドルの損害賠償を求めていたが、同社が新たに裁判所に提出した書類によると、請求額は10倍近くになっている。

 PCWorldが関連書類の内容について詳しく報じている。書類には、Oracleは93億ドルの損害を被ったという、Oracleに雇われた損害査定の専門家James Malackowski氏の意見が反映されている。

 その内訳は、Androidが存在していなければOracleが得られたはずの収入(ライセンス収入など)に対する「実際の損害」が4億7500万ドルと、モバイル機器による検索や、「Google Play」を通じたアプリの売り上げ、「Nexus」機器の販売などからGoogleが得た収入といった「Javaの著作権侵害によって得られた利益の分配」が88億2900万ドルとなっている。

 Oracleが今回の件について初めてGoogleを訴えた2010年には、Androidはまだ主要なモバイルプラットフォームにはなっていなかった。新たな請求額は、それ以来のAndroidの成長を反映している。

 このたびの金額は、著作権侵害だとされているGoogleのJava使用がAndroidを軌道に乗せるとともに、モバイル検索広告からの収入を確保するうえで極めて重要だったというOracleの考えを反映している。また同氏は、GoogleがJavaの著作権を侵害していなければ、OracleはJavaからより多くのライセンス収入を得ていた可能性も指摘している。

 PCWorldも報じているように、Oracleによって提出された他の書類では、Googleが損害賠償を1億ドルに抑えようとしていることも示唆されている。

 Googleは、書類に記された巨額の損害評価額について反論し、OracleとMalackowski氏は37のAPIの価値と、Androidの持つ総合的な価値を同列で論じようとしていると述べている。そしてGoogleは、Malackowski氏の分析を法廷で取り上げるべきではないと主張している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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