フォーラムエイトと一般財団法人 最先端表現技術利用推進協会(表技協)は3月29日、プロジェクションマッピング技術の投影環境とシステムをパッケージ化して手軽に活用できるようにした「プロジェクションマッピングテーブル」を共同開発し、4月より本格的に販売を開始すると発表した。
販売はフォーラムエイトが担当し、標準価格は1システム800万円から。製造業向けのデザインレビュー、展示会やショールームでのプロモーション、建築物や地形、各種解析結果等の表示、プロジェクションマッピングの投影シミュレーションなどの常設用途を中心に提供し、販売目標は初年度10セット、5年間で100セット。

プロジェクションマッピングテーブル テーブル外寸:幅1380mm×奥行1580mm×高さ2035mm 投影対象物サイズ:幅600mm×奥行600mm×高さ300mm程度まで(表技協提供)
プロジェクションマッピングテーブルは、マルチ映像を投影するために必要な機器やシステム一式をテーブル内に一体化した装置で、テーブル中央に対象物を置き、前後左右の4方向と上部からの計5台のプロジェクタを組み合わせて投影するほか、対象物を置く下部には液晶ディスプレイも埋め込まれており、ここにも映像を表示できる。
- TechRepublic
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通常のプロジェクションマッピングでは、鑑賞する方向が限られ、車のような立体モデルに対しては一方向のみの投影映像に限定されていた。それに対して、今回発表した製品では、全周のプロジェクションマッピングを容易に実現できることが大きな特徴。プロジェクタ配置や同期制御などの技術は不要で、投影準備に必要だった煩雑な試行錯誤も解消されているという。
例えば、3Dプリンタで出力した対象物などに対して全周からのプロジェクションマッピングを実現することにより、物体を映像で包みこむ先進的な表現が可能となる。投影用ミラーのサイズを変更することで対象物の背景にリアスクリーンを設置するなど、さまざまな投影バリエーションを手軽に実現できるようになっている。
同製品は、都市計画やドライブシミュレータなどでの活用で豊富な実績をもつフォーラムエイトのVRソフトウェア「UC-win/Road」と、プロジェクションマッピングで経験豊富な表技協の技術を組みわせることによって実現したという。
主な特徴は以下の通り。
- 全周プロジェクションマッピングの技術を手軽に、どこでも利用できる一体化システム
- 投影環境とシステム(ハードウェアとソフトウェア)をパッケージ化して提供
- 約2万時間に及ぶ光源時間で常設可能
- 電源を入れるだけで自動起動可能
- UC-win/RoadなどのVRシステムや、サイネージ用STB、マッピング用ソフトウェアとのインテグレーションが柔軟に行える
- 建築物などの大型構造物までの3Dデータ化が可能なスキャニングサービスも合わせて利用可能
- 3Dデータから表示対象物の3D模型を出力するフルカラー3Dプリンティングサービスも合わせて利用可能
両者では本製品を、ホログラムを超える本物の立体ディスプレイ装置として常設での活用分野を広げていく予定で、標準構成のみならず、リアスクリーンによる背景機能の追加で遠くからでも視認性を高めた展示用タイプや、店舗などで製品のアイキャッチに利用でき、操作性を高めたサイネージタイプなど、さまざまなシチュエーションで活用できる立体ディスプレイ装置として提案していく。また、特定用途向けのカスタム品などにも積極的に対応していく方針。