NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は4月1日、自社で展開する企業向けクラウドサービス「Enterprise Cloud」に、SAPのインメモリデータベース「HANA」をクラウドで提供するサービスを同日に追加すると発表した。
サービス名は「SAP HANAメニュー」。日本国内とグローバルで事業展開する企業がEnterprise Cloudを利用することで、HANAを含む基幹システムを、クラウド上で短期間、低コストで導入、運用できるようにする。

初期費用は無料で、最低利用期間もなくHANA環境をクラウドで提供するのが特徴。企業は従来必要だったHANAのアプライアンスを購入することなく、低コストかつ導入期間を大幅に短縮してHANAの利用を開始できるとしている。
SAPが規定するシステム性能などの各種基準値をクリアした「テーラード データセンター統合(TDI)」モデルで提供することもポイントとする。Enterprise Cloudのベアメタルサーバと、NFS接続が可能で、大容量ファイルを高速処理できるファイルストレージにSAP HANAメニューを組み合わせる。
これにより、TDIモデルをクラウドサービスとして利用できるため、開発、検証、本番環境のシステムとして迅速かつ安定的に利用できるとする。
NTT Comは、SAP Outsourcing Operations Providersとして、「Hosting」「SAP HANA」「Cloud Services」の3つのカテゴリでグローバル認定を取得している。今回、Enterprise Cloudに、SAP HANAセットを追加することで、SAPに関するクラウドプラットフォームとマネージメントサービスである「Global Management One」を、グローバルかつ一元的に提供することになる。
グローバル展開する企業が、グローバルガバナンスを統一しIT運用保守のトータルコストを削減できるようにする。
提供開始は4月1日。東日本拠点で提供を開始し、2016年中に海外拠点にも順次拡大する。税別価格は月額27万8000円から。OSライセンスやハードウェアの監視運用費用を含む。