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院外からも閲覧--国立がん研究センター、新薬開発の作業効率化でクラウド活用

NO BUDGET

2016-04-18 17:53

 国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)は、新薬治験に関する記録や報告をカルテなどの原資料と照合、検証する作業「SDV(Source Data VerificationまたはSource Document Verification)」を効率化するため、院外からのSDVを可能にする“リモートSDVシステム”を開発した。日本マイクロソフトが4月14日にユーザー事例として公表した。

 国立がん研究センターの東病院は1992年に開院、新しい診断や治療法の開発に重きを置いて運営しており、治験が重要な意味を持つ。治験は、治験を依頼した製薬会社と病院との情報を共有、確認する。

 だが、試験内容を記録したカルテを院外に持ち出せないことから、製薬会社の担当者が病院に出向いてSDV作業を行ってきた。この作業は、治験での重要な記録や報告を医療機関が保存するカルテなどの原資料を直接閲覧して照合、確認するもの。病院側は作業のため専用の部屋を用意するほか専任の担当者をつける必要があり、製薬会社にも人件費や交通費が必要で、製薬会社にとっても病院にとっても負担があったという。

 このようなSDVにまつわる負担を軽減すべく開発されたのが、今回のリモートSDVシステム。東病院では2013年に電子カルテシステムを刷新し、2014年に治験データを管理する「治験原データ管理システム」を構築している。治験原データ管理システムには、治験データとしての真正性を確保した上で治験データのコピーを保管してあり、リモートSDVシステムはそのデータを外部から参照できるようにするシステムだ。

 リモートSDVシステムの構築には、メンテナンス性や耐障害性などの観点からパブリッククラウドを活用することとし、その上で基盤とするクラウドサービスを選定した。この選定の時点で、東病院が求めるセキュリティ、医薬品や医療機器の開発や製造に必要なガイドラインに関する情報をいち早く提供していたことから「Microsoft Azure」を採用した。

 リモートSDVシステムでは、病院側が用意したWindows To GoのUSBメモリが製薬会社の担当者に配布される。このUSBメモリからWindowsを起動、さらにリモートデスクトップを通じてAzure上の端末にログインし、ビューアで治験データを閲覧するようになっている。

 この仕組みにより、製薬会社側では東病院へ訪問する必要がなくなり、時間や費用の削減、さらに時間外でも参照できるなどのメリットが得られるようになる。病院側も、SDVの専任担当者や専門の部屋を負担する必要がなくなり、同じく負担が軽減される。海外からのリモートSDVも可能となり、東病院にとっては創薬研究のグローバルに展開するための重要な一歩になるという。

リモートSDVのシステム概要図(日本マイクロソフト提供)
システム概要図(日本マイクロソフト提供)

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