ビッグデータへの投資額は535億円、普及は4%に留まる--矢野経済研究所調査

NO BUDGET 2016年04月19日 07時00分

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 矢野経済研究所は、国内民間企業のビッグデータ市場の調査結果を発表している。2015年度の国内のユーザー企業におけるビッグデータ関連投資額は535億円で、実際に運用している企業は4.1%に留まっているという。調査結果の主な内容は以下の通り。


国内ユーザー企業におけるビッグデータへの取り組み状況(矢野経済研究所提供)

2015年度の国内のビッグデータ関連投資規模は推計535億円

 2015年度の国内のユーザー企業におけるビッグデータ関連投資額は535億円だった。

 また、アンケート調査において、ユーザー企業のビッグデータへの取り組み状況を調べたところ、「業務に取り込み済み」は2.4%、「試験的に運用中(1.7%)」と合わせても4.1%に留まっている。現時点でビッグデータへの取り組みを進めているのは大企業が中心であり、国内全体でみると限定的な取り組みであるものと同社では考えている。

 一方で、一時期のビッグデータブームは沈静化したが、一部の企業ではより具体的、かつ本格的なデータ活用が進んでいるという。現在注目されているIoTやAIといった新たな領域はビッグデータの活用そのものであり、大量のデータがこれらの技術の進展に寄与している。今後、ビッグデータはIoT、AIによるデータ駆動型経済を実現するための技術基盤という位置付けへと進展していくことが予想されるとした。

今後の市場の展望

(1)サービス基盤の低廉化(2016~2017年頃)

 IoTプラットフォームとして汎用クラウドが拡大し、格安仮想通信事業(Mobile Virtual Network Operator:MVNO者)が普及する。これにより、IoTサービス基盤の低廉化、及び利便性向上が進み、大企業だけでなく中堅企業等においてもIoT活用機会の環境が整いつつあるものとみる。

  • AI技術は主に金融分野を中心に進展し、本格普及の基盤を構築するものと考える。

(2)新たな技術の実用化(2018~2020年頃)

  • ビッグデータ解析の課題としてリアルタイムでの膨大なデータ処理が挙げられる。こうした課題に対して、次世代のメモリ、低消費電力ネットワーク、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサの実用化が期待され、技術的な目途が立ち始めるものとみる。
  • AIは画像や音声、センサーといったマルチメディア情報により複合的に事象を認識でき、こうした技術が実用化されると見込む。

(3)応用分野の広がり(2020~2025年頃)

  • AIによって、医療分野では遺伝子情報を活用した先制医療が期待される。また自動車分野においては自動運転走行の実用化が挙げられる。日本政府が2020年の東京五輪・パラリンピックまでに実用化を実現させる方針を打ち出していることから、2020年は自動運転走行技術のデモンストレーションとしてひとつの契機になるものと考える。

(4)産業適用のさらなる進展(2025~2030年頃)

  • ハードの側面ではセンサシステムの普及が加速するものとみられる。またAI技術は、自動車分野における自動運転走行、製造業のスマートファクトリー(産業ロボットの活用などによる工場の自動化)、高度な自動翻訳などを実現させると予想する。
  • さらにAIの知的作業における範囲が大きく広がり、社会基盤の1つとして更なる進展をするものと考える。AIの応用分野が広がるなかで、AI技術の産業適用がさらなる広がりをみせるものと推測する。

 調査では、国内の企業・団体・公的機関などを対象とした郵送アンケート(2015年8月~10月実施、546件)による結果をもとに、経済産業省の経済センサスなどの文献調査を併用して拡大推計を行い、国内のビッグデータ関連投資額を算出した。この調査ではビッグデータの定義を規定せず、ユーザー企業自身がビッグデータとして取り組んでいるものを対象としているとのこと。

 

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