IDC Japanは11月17日、2015年第2四半期(4~6月)の実績と最新の景気動向などに基づき、2015年~2019年の国内製品別IT市場予測を発表した。2015年の国内IT市場規模は前年比成長率0.1%の14兆7837億円と予測している。
また、国内IT市場に国内通信サービス市場を加えた国内ICT市場の2015年の市場規模は、前年比成長率マイナス0.7%の25兆5513億円と予測している。

国内製品別IT市場実績と予測: 2014年~2019年(IDC提供)
2015年の国内IT市場は、前年の成長を押し上げたPC市場が大幅なマイナス成長となるものの、スマートフォン市場が前年のマイナス成長からの反動でプラス成長となる上、円安によるサーバ市場などにおける平均単価の上昇が影響し、ほぼ横ばいと予測した。
2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は、国内IT市場が1.3%、国内ICT市場が0.0%と予測、2019年の市場規模ではそれぞれ15兆7604億円、25兆7264億円と予測している。
国内IT市場を構成する国内ハードウェア市場、国内ITサービス市場、国内パッケージソフトウェア市場の2015年の市場規模と前年比成長率は、各6兆6595億円/マイナス3.4%、5兆3694億円/2.7%、2兆8188億円/4.2%と予測している。
今回の発表はIDCが発行したレポート「国内製品別IT市場 2015年第2四半期までの実績と2015年~2019年の予測」(J15110303)に基づいたもので、同レポートでは、ITユーザー企業でIT支出に関する決裁権を有する職位の人5800人あまりに、IT部門と非IT部門(事業部、マーケティング、セールス部門など)との関係や、全社プロジェクトの有無などについて聞いた調査結果も報告されている。
それによると、日本のITユーザー企業では、大企業を中心にIT部門と非IT部門との連携がとれている企業が多いものの、戦略的IT投資について、両者が連携して検討を本格化している企業はまだ少ないのが現状で、また全社プロジェクトにおいては未だ戦略的IT投資に必要な人材育成や中途採用を積極的に実施している企業が少なく、人材面での課題も指摘されている。
同社ITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は、以下のように分析している。
「ITベンダーはより中期的観点から、国内のユーザー企業が事業成長にITを活用するに当たり不足している人材や情報面などを考慮し、ITを活用した経営戦略を協調して検討していくべきである」