ミック経済研究所は8月18日、産業用PC市場の調査結果を発表した。産業用PCは、主に製造業(FA向けなど)、非製造業(サイネージなど)に使用されるPCで、メーカーが長期間の供給および保障体制を確立させている製品をいう。2015年度の産業用PC市場は1044億3900万、2016年度で1068億8500万円と推計され、今後は年平均成長率2.9%で推移し、2020年度は1155億6000万円と拡大する見込みという。

- TechRepublic
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民生用PCとは違い長期間の動作や品質への保証、耐熱や耐寒、耐湿など優れた耐環境性能を備える産業用PCは現在、製造業、非製造業を問わず幅広い業種で使用されている。また、加工機械などにそのまま組み込むことで、機器のインテイリジェント化を達成させるためのツールとしても使用される。産業用および民生用(事務用も含む)PC全体の市場はタブレット端末の普及により出荷台数は減少傾向にあるが、産業用PCは用途や使用環境によりニーズが多様で、民生用PCの市場とは連動しない傾向がある。
同社では、製造業、非製造業を問わず産業用に利用されるPCに焦点を当て市場調査を実施。産業用PCを筐体型とマザーボードの大きく2つに分類し、さらに筐体型は「タワー型」「ボックス型」「ラック型」「パネル型」の4分類、マザーボードは「COM」(コンピュータオンモジュール)、「SBC」(シングルボードコンピュータ)の2つに分類、これらを価格別、形状別、用途別などさまざま角度から分析を行い、成長率や売上高などそれぞれの特性を明らかにしている。
調査結果の主なトピックは以下の通り。
- 非製造業部門での利用が伸長。業種別では医療系での利用が広まっている

産業用PCの業種別売上高比率

産業用PCの業種別売上高。製造業(左)と非製造業の上位

産業用PCの用途別売上高。製造業(左)と非製造業の上位
- 外資系企業、中小企業は順調に成長を果たすも、大企業は鈍化傾向
- マザーボードは価格低下傾向。コントローラは価格帯安定
- 形状別では、ボックス型、パネル型PCは高成長
