オーストラリア連邦政府機関のCrimTracは、現在運用している自動指紋認証システムの後継として、指紋認証技術や顔認証技術を用いた生体認証システムの導入を決定した。システムを提供するNECが5月16日、発表した。
CrimTracは、オーストラリアの警察組織や移民国境保護省などを対象に情報共有サービスを提供している公的機関。今回は、NECの100%子会社であるNECオーストラリアと、指紋認証技術や顔認証技術を用いた生体認証システムの導入、ならびに5年間のシステム運用・管理・保守サービスの提供に関する契約を締結した。新たな生体認証システムは2017年に稼働を開始する予定。
CrimTracが今回の新システムを導入することににより、警察などが保有する約670万件の指紋や1200万件の顔画像のデータベースを、オーストラリア関係当局間で共有し、犯罪捜査や国境警備などに役立てることが可能になるという。例えば、防犯カメラで撮影された不審人物の顔画像をCrimTracのデータベースと照合して個人特定する、といった運用が考えられるとした。
NECの指紋認証技術・顔認証技術は、今回のCrimTracのほか、米国アリゾナ州交通局、ブラジル主要14国際空港における税関業務など、これまでに世界70カ国以上で導入されているという。