海外コメンタリー

プロジェクトマネージャーは準備が肝要--失敗を避ける7つのポイント

Mary Shacklett (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-05-23 06:00

 ある企業が実験および実装を目的としたアナリティクスのプロジェクトを立ち上げた。しかし、分析すべき業務目標をあらかじめ決定していなかったがために期待通りの成果を上げられず、プロジェクトは信頼を失う結果に終わった。

 また、ある玩具企業が、歌う人形を開発しようとした。人形のボタンを押すと、内蔵してあるチップ上にあらかじめ書き込まれている歌が再生されるという仕組みだ。そのチップの製造をアジアの企業に委託し、船での輸送を手配したものの、米西海岸で起こっていた港湾労働者のストの影響を受け、実際のチップの入手はホリデーシーズン後になってしまった。このためプロジェクトは失敗に終わり、何百万体もの人形が倉庫に山と積まれることになった。

 さらに、ある上級エンジニアのスキルセットに依存するプロジェクトを企画したにもかかわらず、当のエンジニアがプロジェクトの完了を待たずして、新たな会社に転職すると言って辞表を提出してきた。その結果、エンジニア不在という状況を前に、プロジェクトの存続を断念せざるを得なくなった。

 例として挙げた上記のプロジェクトはすべて、チームメンバーやツール、スケジュールのいずれか、あるいは複数に問題を抱えている。こういった問題は、中間管理職としての仕事を初めて手がける人々がプロジェクト管理の仕事を避けようとする、あるいは少なくとも、人生初のプロジェクト管理に挑むという決断に慎重になる理由となっている。

 プロジェクト管理は、落とし穴にはまる可能性があるとはいえ、プロジェクトを上手に管理する能力、そして火を吹いているプロジェクトを危機から救おうとする意欲は、自らのキャリアを形成していくうえでプラスになるはずだ。ここで重要な点は、初めてのプロジェクトを手がける前に、プロジェクト管理の基本をしっかりと理解しておくことだ。

 以下では、初めてのプロジェクト管理に挑む前に押さえておくべきポイントについて解説する。


提供:iStock/monkeybusinessimages

チームメンバー

 適切なスキルセットを有しているだけでなく、チームに溶け込んで作業を進められる人物を選定することは極めて重要だ。才能ある人材であっても、チームから孤立するような、対人関係に問題がある人物は、プロジェクトを失敗に追い込む原因となり得る。

ツール類

 プロジェクトで使用するツール類は、そのツールの目的がソフトウェア開発やセキュリティ、インフラ、プロジェクト管理、新たな業務プロセス向けであるかどうかにかかわらず、すべてプロジェクトの開始前に使用準備を整えておく必要がある。また、プロジェクトの開始直後から使用する必要のあるツールがある場合、事前にチームメンバーに対する訓練を実施しておくようにしてほしい。

業務目標の定義

 業務目標とプロジェクトの成果物一式が明確に定義され、すべての利害関係者が同意していない限り、プロジェクトを開始するべきではない。

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