「Raspberry Pi 3」上で稼働するOSとして近々、「Android」が追加されるかもしれない。
Googleは「Android Open Source Project」(AOSP)リポジトリのデバイスツリーに、「Raspberry Pi」の最新モデルであるRaspberry Pi 3(販売価格は35ドル)用のブランチを追加した。この情報が初めて報じられたのは、Android Policeによる米国時間5月24日付けの記事だが、実際のところ同ブランチはその5週間前から存在していた。
ただ、Android Policeも指摘しているように、ブランチができたからといって、GoogleがRaspberry Pi上でAndroidを稼働させようとしているとは言い切れない。Raspberry Pi上でAndroidインターフェースに対するサポートを追加するだけという可能性もある。
その一方で、Raspberry Pi 3に関する今回の動きは、より大きなキャンペーン、すなわちIntel製チップをも含む数多くのIoT製品をAndroidで公式にサポートしていくというキャンペーンの一環であるようにも見受けられる。
Googleはこの5カ月間で、IntelによるRaspberry Piに対する答えである「MinnowBoard」のほか、ASUS傘下のAAEONが提供する、Intel製チップを搭載した「Up Board」をAOSPのデバイスツリーに追加してきている。
また、中国企業Imagination Technologiesの「CreatorCi41」ボードや、Qualcommの「DragonBoard」、Intelの「Edison」ボードも最近追加されている。DragonBoardを除き、これらはすべてここ5カ月の間に追加されており、Raspberry Piよりも開発が進んでいる。
なお、Imagination TechnologiesとQualcomm、Intelは、IoT機器向けOS「Brillo」の開発で、Googleとのパートナー関係を築いている。Brilloは、ARMアーキテクチャを採用したチップやIntel製チップを搭載した低消費電力デバイス向けのAndroidベースのOSであり、現在パートナー企業として5社が名を連ねている。
Googleは2015年の「Google I/O」カンファレンスでBrilloを発表したが、それ以降はほとんど何の情報も公開しておらず、2016年5月のGoogle I/Oでもその進捗状況に触れていない。また、Brilloにアクセスしたい開発者はいまだに招待を要請する必要がある。
Brilloの主な特長の1つに「Weave」がある。ユーザーはWeaveを利用することで、Brilloが稼働する他のデバイスとやり取りできるようになる。
例を挙げると、AOSPにおけるDragonBoardのデバイスツリーでは、Brilloのパーティションを作成するための、ベンダー向けの特定のネットワーク機能やツールの追加が説明されている。また、CreatorCi41やEdisonでも、Brillo関連のアップデートが統合されている。
提供:Matt Richardson
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。