海外コメンタリー

グーグルがJava API訴訟でオラクルに勝利--開発者にとって朗報か

Stephanie Condon (ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎 2016年06月02日 06時00分

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 2014年、米連邦巡回区控訴裁判所がJava APIに著作権が及ぶとする判決を下し、この問題についてGoogleではなくOracleを支持したとき、開発者コミュニティーやIT業界は衝撃を受けた。この判決がソフトウェア開発に萎縮効果をもたらすという意見もあった。しかし、その予想は現実のものにはならなかった。

 米国時間5月26日に出た(今回はGoogleの有利に終わった)陪審員団の評決に、その理由が表れているかもしれない。

 「多くの懸念があったが、市場と開発者は当然起こるべきこととして今回の結果が出るのを待っていた」と、APIの開発支援を行う企業であるMuleSoftの最高技術責任者(CTO)Uri Sarid氏は述べている。

 「これは狭い意味ではJavaとAndroidの問題だが、これをAPIの利用に関する前例だと捉えれば、この結果は世界経済に影響を及ぼす。今日の判決では、まったく異なるソフトウェアシステムを作ることはフェアユースだということが示された。わたしはこれは勝利だったと考えているし、もちろん非常に嬉しいと思っている」(Sarid氏)

 Oracleは2010年に、GoogleがモバイルOSであるAndroidの開発に、37のJava APIパッケージを、ライセンス料を支払わずに使用したとして訴えを起こした。2014年の連邦巡回区控訴裁判所の判決のあと、Googleは新たに、「フェアユース」の考え方に基づき、APIを使うことは認められると主張した。

 サンフランシスコ州連邦地方裁判所のWilliam Alsup裁判官は、陪審員団に対し、フェアユースを次のように説明した。「フェアユースの権利の背景にある方針は、既存のアイデアを基にして新たなアイデアを生み出すことを許し、奨励することであり、これは創造的な作品を保護する著作権ポリシーとのバランスを取る役割を果たす」

 今回認められたGoogleの主張の一部に、APIは創作物としてよりも、機能的な役割の方が大きいという点がある。IDCのアナリストAl Hilwa氏は、連邦巡回区裁判所はすでにAPIは著作権保護の対象となりえる一定の創作性を持っているという判決を下しているが、5月26日の判決では、APIがフェアユースの対象外となるために必要とされる創作性の水準が非常に高く設定されたと話す。

 「Javaのような、広く普及している強力なプラットフォームを持つOracleやその他の企業のハードルは、明らかに高い。複雑なAPIの設計には創造性を必要とすることは当然のことのように思えるが、裁判所は、比較的複雑であるJavaのAPIは、その水準に達していなかったと判断した」と同氏は述べている。

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