とはいえ、今回の判決は、具体的な判例を定めるものではない。「フェアユース」の主張が妥当かどうかは、案件ごとに個別に評価されることになる。またGoogleの勝利は、APIが著作権による保護を受けるための「創作性」の水準を高く設定したように見えるが、陪審員団は「イエスかノーか」という二者択一の問題に答えただけだ。
「今回の判決はフェアユースの対象範囲を判断するための基準を明確に示したわけではないが、OracleとGoogleの異議申し立てに対するAlsup裁判官の判決は、一定の判断材料を与えてくれるかもしれない」と、電子フロンティア財団(EFF)の上級組織内弁護士であるMitch Stoltz氏は述べている。
それでもSarid氏は、今回の判決は今後の法廷闘争で一定の基準として用いられ、APIの標準化にプラスに働くだろうと期待している。
「これは、この種の相互運用性がフェアユースを構成する要素になるという例になるだろうし、他の企業は共通のAPIを使用しやすくなるだろう。プログラムとのやりとりの方法は、非常に標準的で、簡単で、一般的なものであるべきだ」と同氏は述べている。
一方で、Oracleはもちろん今回の判決に対して控訴する予定だ。
Oracleの総合弁護士Dorian Daley氏は、声明の中で、「当社は、Googleがモバイルデバイス市場に急いで参入するために、Javaのコア技術を違法にコピーしてAndroidを開発したと強く信じている。OracleはGoogleの違法行為を止めるために今回の訴訟を提起した。当社は多くの控訴理由があると考えており、この裁判を連邦巡回区裁判所に控訴する予定だ」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。