Microsoftは米国時間5月31日、ブロックチェーン技術に基づくアイデンティティ管理システムの構築を推進するために、Blockstack LabsおよびConsenSysと提携したと発表した。
発表に関する同社ブログ記事では、以下のように説明されている。
当社は、Bitcoin関連のプラットフォームを手がけるBlockstack Labsの「Blockstack」と、Ethereum(スマートコントラクトや分散アプリケーション向けのプラットフォーム)をベースにしたアイデンティティ管理ソリューションを手がけるConsenSysの「uPort」を活用するために、両社と連携している。オープンソース形式のこのコラボレーションにより、当社は将来のブロックチェーン技術や、中央集権化されていない新種の分散システムにも対応できる、ブロックチェーンをまたがったアイデンティティ管理ソリューションを生み出すつもりだ」
ブロックチェーンは、仮想通貨であるBitcoinを支える技術だ。ブロックチェーンは、取引の履歴を完全なかたちで保存できる共有型の台帳であるため、仮想通貨だけではなく、さまざまな種類の情報の記録にも使用できる。このため同技術は多くの企業、特に銀行をはじめとする金融関連分野の企業から注目を集めている。
今回提案されている、ブロックチェーン技術に基づくアイデンティティ管理システムは、全世界における「人々や商品、アプリ、サービス(の情報)をブロックチェーンやクラウドプロバイダー、組織をまたがって相互運用できる」オープンソースのIDシステムだ。またこのシステムは、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」におけるゴール16、ターゲット9(SDG 16.9)と歩調を合わせたものであり、法的な身分証明の欠如に根ざす人身売買や売春、児童虐待といった人権犯罪に特に照準を合わせている。
「今後数週間以内」にオープンソースのフレームワークが「Microsoft Azure」上で利用可能になり、開発者は提案されたオープンソースのアイデンティティレイヤ関連のプロジェクトのインスタンスを設定できるようになるはずだ。
Microsoftはこれまでもブロックチェーンの取り組みや提携を進めてきた。Microsoftは、「Microsoft Azure」上で「サービスとしてのブロックチェーン(BaaS)」に取り組んでいる。その成果の第1弾は、2015年11月に発表された「Ethereum Blockchain as a Service(EBaaS)」という開発環境だ。これはConsenSysと共同で開発されたものであり、現在「Azure Marketplace」で提供されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。