インメモリDB「SAP HANA」新版、テスト省力化支援機能など搭載

日川佳三 2016年06月01日 15時05分

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 SAPジャパンは5月31日、インメモリ型で高速に動作するSQLデータベース「SAP HANA」の最新版「SPS12」(サポート・パッケージ・スタック12)を発表した。新版では、機能や性能のテストを省力化する支援機能など、基幹業務アプリケーションに向けた機能を中心に強化した(図1)。

 基幹業務向けに追加した新機能の目玉が「Capture & Replay(キャプチャ&リプレイ)」だ。これはHANAをアップグレードしたり、アプリケーションを更改したりした際に、機能が以前と同様に動作するかどうかをテストするための機能。こうしたテストを省力化する(図2)。

図1:HANA新版での強化点。「ITのシンプル化」(基幹業務の安定稼働と運用負荷軽減)が一番のポイントとなる
図1:HANA新版での強化点。「ITのシンプル化」(基幹業務の安定稼働と運用負荷軽減)が一番のポイントとなる

 Capture & Replayを使うと、旧システム上でSQLクエリをキャプチャ保存し、これを新システム上で再生して実行できる。実行した結果として、処理が正しく動作したか、どの処理にどれだけの時間がかかったかといった動作状況をHANAのGUIコンソール(Fiori)で把握できる。

 Capture & Replayによって性能データを監視できるが、あくまでも「機能が正しく動作するか」という視点で性能を評価する。いわゆる負荷テストツールとは異なり、システムがどれだけの負荷に耐えられるかを調べてサイジングやチューニングに生かすための機能ではない。

図2:Capture & Replay機能の概要。HANAのアップグレード時などに機能が正しく動作するかどうかを調べるテストを省力化する
図2:Capture & Replay機能の概要。HANAのアップグレード時などに機能が正しく動作するかどうかを調べるテストを省力化する

最大3年の長期運用が可能に、クラウド版HANAは基幹アプリ基盤へ

 基幹業務向けの施策としてはこのほか、同一バージョンのHANAを使い続けられるようにした。これまでは年2回の頻度で最新のSPSを適用する使い方しか選べなかったが、これからは最大3年間にわたって運用を継続する使い方も選べるようにした。

SAPジャパン プラットフォーム事業本部エバンジェリスト 松館学氏
SAPジャパン プラットフォーム事業本部エバンジェリスト 松館学氏

 基幹システムを安定して使い続けるために、高可用性(HA)や災害復旧(DR)も強化した。プライマリサーバ、セカンダリサーバ、DRサイトの3者間でデータを同期させるやり方とタイミングを、以前よりも柔軟に細かく設定できるようにしたとしている。

 パブリッククラウドIaaSで動作するHANAも、基幹業務向けに強化し、1台の仮想サーバインスタンスでこれまでよりも大容量のメモリを使えるようにした。具体的には、Amazon Web Services(AWS)の「EC2」が2Tバイトメモリを扱える「X1」インスタンスを新規に用意した。Micrsoft Azure上のHANAも、これまではテスト目的だったが、本番環境でも使えるようにした。メモリも、1インスタンスで0.5Tバイト(448Gバイト)を扱えるようになった。

 今回、HANAのユーザー層を広げる施策も新規に用意した。小規模システムに向けてメモリ容量などを低く抑えた「Edge Edition」をパートナー企業による間接販売を介して提供する。メモリ容量は32Gバイトまでで、複数サーバ間でデータを動的に階層化させる構成では128Gバイトまで。

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