コンテンツ管理システム(CMS)「WordPress」のプラグインである「WP Mobile Detector」にゼロデイ脆弱性が発見された。同プラグインは、モバイル機器の種類を検出し、最適なかたちでコンテンツを提供するためのものであり、1万を超えるウェブサイトで使用されているという。
この脆弱性はPlugin Vulnerabilitiesの研究者らによって発見され、米国時間5月31日に同社ブログで発表された。
同社の研究者らが潜在的な問題に気付いたのは、WP Mobile DetectorをインストールしていないCMSのドメインに向けて、同プラグインのファイルであるblog/wp-content/plugins/wp-mobile-detector/resize.phpに対するHEADリクエストが送られてきたのがきっかけだ。
研究者らによる詳細な調査の結果、これは「何者かがプラグインに存在する脆弱性を攻撃する前に、同ファイルの存在をチェックしている」可能性が高いという結論に達した。
セキュリティ企業Sucuriによると、このゼロデイ脆弱性自体は「容易に悪用できる」ものだという。同脆弱性により、簡単なPOSTリクエストを送信するだけで、悪意のあるファイルをウェブサイトにアップロードし、バックドアとして機能させることが可能になる。
Sucuriは同社ブログに「これは信頼できない出所からの入力を検証、サニタイズ(無害化)していないことに起因する単純な脆弱性だ。セキュリティ上のチェックが実行されていないため、攻撃者は変数srcにPHPのコードを含む悪意あるURLを設定できるようになっている」と記している。
この脆弱性は、ポルノ絡みのスパムスクリプトをロードするために悪用されている。
WP Mobile Detectorの開発チームは5月29日に、wordpress.orgのPlugin Directoryは その2日後にこのゼロデイ脆弱性について報告を受け、同プラグインは一時的に削除された。
数日前の時点で、同プラグインの有効な状態でのインストール数は1万を超えていた。
5月31日、同プラグインの開発者らは問題を修正し、同プラグインは復旧した。ユーザーはバージョン3.6か3.7にアップグレードする必要がある。いずれのバージョンも、今回の脆弱性を悪用した攻撃の影響を受けない。

提供:WP Mobile Detector
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。