#2:インターフェースの変化
インターネットとのやり取りの方法、そしてコンピュータとの一般的なやり取りの方法は、過去数十年を通じてほとんど変化していない。物理的なキーボード以外にタッチスクリーンが登場してきているが、操作そのものは変わっていない。そう、今までは。
音声入力は、デバイスの使用方法を、そしてインターネット自体の使用方法を大きく変えるものだ。音声入力はタイプ入力よりも迅速かつ容易であり、カスタマイズすることもできる。処理自体には自然言語処理(NLP)機能が必須となるとはいえ、コストもフットプリントもさほど必要ではない。Meeker氏は、理論的に「コンピューティングにおいて最も効率の高い入力方式と言えるはずだ」と述べている。
音声認識技術はまだ初期の段階にあるが、その精度は急速に向上しており、モバイル機器における音声アシスタントや音声検索の使用は飛躍的に伸びてきている。Meeker氏のスライドでは、2020年までに検索の50%は音声検索や画像検索になるだろうという、百度(Baidu)のAndrew Ng氏の言葉を引用している。またMeeker氏は、2016年になって「iPhone」の売り上げがこの10年ほどで初めて低下した一方で、「Amazon Echo」の売り上げが伸び続けている点も指摘した。

提供:Mary Meeker氏/KPCB
#3:自動車関連
自動車技術の進歩によって、自動車が次世代のコンピューティングプラットフォームとしてクローズアップされていくはずだ。現時点でコネクテッドカーは既に市場に影響を及ぼし始めており、AppleやGoogleといった企業がその指定パートナーになろうとしのぎを削っている。
カーオートメーション技術と安全性の向上とともに、自動運転車はこれまで数百万マイルもの距離を走行している。規制当局は、新技術の採用となると及び腰になるのが通例だが、Meeker氏は自動車業界、特に米国の業界を進歩させるうえで、そういったハードルを乗り越えることが必須であると主張している。自動運転車の成長によって顧客エンゲージメントの機会とともに、通勤中や車での旅行中におけるエンターテインメントの機会ももたらされる。
自動車はモバイルにおける次の側面になる可能性もある。調査対象のうちY世代の半数近くは、スマートフォンに搭載されている機能すべてが自動車にも搭載されるだろうと考えている。このようなトレンドが主流になれば、自動車業界は2度目の黄金時代に向かうかもしれない。