ベンチャーキャピタリストとして著名なMary Meeker氏は最近、2016年のインターネットトレンドに関するプレゼンテーションを実施した。本記事では、そのプレゼンテーションのなかから、企業が押さえておくべきトレンドを紹介する。
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インターネットがわれわれの日々の生活におけるあらゆる側面に浸透し続けるなか、道具やプラットフォームとしてのインターネットの使い方は明らかに変化している。こういった変化は、時間をかけて起こるものの、企業にとって大きな意味を持ち得るのだ。
ベンチャーキャピタル企業Kleiner Perkins Caufield & Byers(KPCB)のパートナーであるMary Meeker氏は米国時間6月1日、カリフォルニア州ランチョパロスベルデスで開催された「Code Conference」で、2016年におけるインターネットトレンドについてのプレゼンテーションを実施した。このプレゼンテーションでは、インターネットの利用状況に関する世界的なトレンドとともに、企業のツールとしてのインターネットの利用方法に関する変化が概説された。
同氏のプレゼンテーションは毎年恒例となっており、今年のスライドは213枚で構成されていた。本記事では、それらに目を通す時間がない方のために、重要な点をかいつまんで紹介する。
#1:メッセージングがトレンドとして成長し、進化していく
メッセージングアプリおよびそのプラットフォームのユーザー数と利用時間はともに、急速に成長している。「WhatsApp」はその先頭を走っており、「Facebook Messenger」と「WeChat」が後に続いている。
メッセージング関連の成長で無視できないのは、単なるテキスト通信にとどまらない変革がもたらされている点だ。コンシューマー市場では絵文字やスタンプ、フィルタによってコミュニケーションの幅が広がり、ビジネス市場では一部のメッセージングプラットフォーム上で提供されているより専門に特化したサービスが利用されるようになってきている。WeChatやFacebook Messenger、「LINE」は企業向けサービスとして、顧客エンゲージメントを高める方法や、顧客サービスの改善方法を提供するとともに、プラットフォーム上での支払いも可能にしている。
インターネット上にある、ウェブプラットフォームやチャットプラットフォーム、ソーシャルメディアはY世代の顧客にリーチする優れた手段であるため、メッセージングアプリやチャットアプリを用いて顧客ベースを拡大したいと考えている企業にとって、またとない機会が提供される。またMeeker氏は、メッセージングアプリが多くのユーザーにとって「第2のホーム画面」になりつつあるため、企業は顧客とのコミュニケーションを図るうえでこういったアプリを活用しなければならないとコメントした。
提供:Mary Meeker氏/KPCB