Microsoftは米国時間6月8日、「FreeBSD 10.3」を「レディメイド」の仮想マシン(VM)イメージとして「Azure Marketplace」で公開したと発表した。
これによって、顧客は「Microsoft Azure」上でFreeBSDのVMを容易に利用できるようになるとともに、必要に応じてMicrosoftのエンジニアによる公式サポートを受けられるようになる。
これまで、Azure上でFreeBSDを実行するには、カスタムイメージを入手する必要があったが、今後はAzure MarketplaceからFreeBSDを利用できる。なお、同イメージはFreeBSD Foundationによって発行されたものではなく、Microsoftによって発行されたものだ。
Microsoftによると、多くの大手仮想アプライアンスベンダーがFreeBSDをベースにした製品を開発しているため、Azure上で同OSを稼働できるようにすることが重要だったという。
Azure向けに「レディメイド」のFreeBSDのVMを提供するという今回の動きは、「Hyper-V」上でFreeBSDの本番環境向けワークロードの稼働を公式に保証するという同社の既存の取り組みの延長線上にある。
同様に、Microsoftが自社でFreeBSD 10.3のイメージをビルドした決定的な理由には、Azure上のFreeBSDのVMでエンタープライズグレードのサービス品質保証(SLA)を実現するというものがある。また同社によると、サポートに関するFreeBSD Foundationの負担を軽減する目的もあるという。
MicrosoftのオープンソーステクノロジーセンターでプリンシパルPMマネージャーを務めるJason Anderson氏は「Azure上で実行されているFreeBSDのVMに対し、エンタープライズグレードのSLAを顧客に保証するために、そしてFreeBSD Foundationの負担を軽減するために、イメージのビルドやテスト、リリース、メンテナンスを当社で行うことにした。今後もHyper-VやAzure上でのFreeBSDへの投資を継続するとともに、FreeBSD Foundationとの密接に連携していく」と述べている。
またAnderson氏は、Microsoftが以前からアプライアンスベンダーのサポートに多大な努力を傾けてきており、これらベンダーの多くはFreeBSDを使用し、その仮想アプライアンスをAzure Marketplaceで公開しているとも述べている。Hyper-V上でFreeBSDをサポートしたMicrosoftの目的は、アプライアンスパートナーの製品がHyper-Vを使用してAzure上で円滑に動作することを保証するためだった。
FreeBSD FoundationのプレジデントJustin T. Gibbs氏はMicrosoftの取り組みが、FreeBSDコミュニティーにとって「意義深いマイルストーン」であるとして歓迎している。
提供:Microsoft
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。