ウォズニアック氏、AIやVRを斬る--ジョブズ氏とアップル黎明期の思い出も - (page 6)

Teena Maddox (TechRepublic) 翻訳校正: 編集部

2016-06-18 06:00

ソーシャルメディア

 Wozniak氏は、ソーシャルメディアが登場したとき、これほど爆発的に普及するとは思わなかったと明かした。「ソーシャルメディアによって、我々は理想的な民主主義の実現に一歩近付いたかもしれない。しかし同時に、ソーシャルメディアは不可欠の要素である匿名性によって、人間社会が抱える負の側面も数多く浮き彫りにした。登場した当初は素晴らしいものだった。本当に楽しいものだった。最初にソーシャルメディアについて耳にしたとき、それがこれほど爆発的に普及するとは思わなかった。私のように、ソーシャルメディアにそぐわない人間もいるからだ。私はFacebookで5000人の友達とつながっているが、知らない人ばかりだ」

復学

 Wozniak氏がカリフォルニア大学バークレー校に復学し学位を取得した際の経緯は、あまり語られていない話題の一つだ。

 「Macintoshのチームで働いていたとき、私は飛行機事故に遭った。その後しばらくは健忘症のような状態が続いた。時間の感覚を失っていた。その5週間後、私はSteve Jobsに電話をかけ、Macintoshのチームは私抜きでもやっていけるので、私は1年間大学に戻り学位を取得すると伝えたんだ」

 大学生活の間、Wozniak氏は「Rocky Raccoon Clark」と名乗っていた。「私は周りの学生たちに正体を知られたくなかった。そこで偽名を使ったんだ。でもJohn Smithのような、ありふれた偽名は使いたくなかった」

Steve Jobs

 Wozniak氏は、Steve Jobs氏のキャリアを複数の段階に分割し、それぞれにバージョン番号を振った。最初の段階はSteve Jobs 1だ。「Steve Jobs 1は情け容赦がなく、支配的で、同じ血の通う人間だとは思えないほど、非道な真似を平気で行う人物だった」

 「Appleに復帰したのはSteve Jobs 2だ」

 「私はSteve Jobs 1以前の彼も知っている。いわばSteve Jobs 0だ。それはAppleを起業する5年前の話だ。彼と一緒に悪ふざけをしたり、コンサートに行ったり、楽しい日々を過ごしていた。初めて彼と出会った日、私は彼を自宅に呼んでBob Dylanのライナーノートを見せたんだ。彼はそんなものを目にするのは初めてだったらしい。本当に楽しいひとときを過ごした。彼はこの世を去ってしまったが、今でも楽しかったあの頃に戻りたいと思う」

終わりに

 自分がこの世を去ったとき、どのような墓碑銘が刻まれると思うかという質問に対し、Wozniak氏は次のように答えた。「Steve(Wozniak氏)はFoursquareでこの墓を見つけて『メイヤー』になったので、その墓に入る責任があると考えた」

 「真面目に答えると、私は永遠に生きたいとは思わない。もう10人分の人生を生きた。私が生きている限り、少なくとも1人の後進が機会を奪われることになる。それが正しいことだとは思えないんだ」

 

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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