IDC Japanは6月21日、国内法人向けタブレットソリューション市場の2016年~2020年の予測を発表した。それによると、法人向けタブレットソリューション市場のタブレット出荷台数は、2016年は226万台、2018年には300万台を超え、2015~2020年の年平均成長率(CAGR)は7.6%と予測している。
国内法人向けタブレットソリューション市場 タブレット出荷台数予測、2015年~2020年(IDC提供)
タブレット市場を「デタッチャブルタブレット」(ハードウェアキーボードが脱着できるデタッチャブル型タブレット)と「タブレットスレート」(通常のスレート型タブレット)に分けて見ると、スレートタブレットのCAGRは5.4%、デタッチャブルタブレットのCAGRは17.1%と、デタッチャブルタブレットの成長をより高く見込んでいる。デタッチャブルタブレットは、ハードウェアキーボードが接続できることから、社内ではPCに近い操作ができ、また社外ではキーボードを取り外すことで、一般的なスレートタブレットとしてプレゼンテーションなどで利用できることから、今後の出荷が増加することが期待される。
法人向けタブレットソリューション市場を拡大させる促進要因としては、「クラウドやモバイル、ソーシャルなどの“第3のプラットフォーム”重視型IT投資へのシフト」や、「日本郵便の高齢者向けタブレットの出荷」が想定されている。一方、市場拡大の阻害要因としては「モビリティソリューションの導入に対する効果分析方法の欠如」や「スマートフォンなどの他デバイスとの競合」が挙げられる。この中でも「日本郵便の高齢者向けタブレットの出荷」が市場を大きくけん引すると予測される。
大企業でのタブレットソリューション需要は一巡し始めているものの、産業分野別で見た場合、小売りでのオムニチャネルへの投資に伴う需要や、サービスでのB2B2C(顧客企業の消費者向け)用途での需要が期待される。また、教育市場では学校を中心に授業用備品の他、新入生購入によるB2B2Cでの需要が期待される。
さらにIDCでは、政府による「第2期教育振興基本計画」や、これを実現させる「教育のIT化に向けた環境整備4カ年計画」による財源によって、各自治体での学校で授業の中でのタブレット活用が進むとみる。また、大企業でのタブレット需要は一巡しつつあり、今後法人市場のタブレットは、小売でのオムニチャネルなど、企業が顧客満足度を高める手段として活用され、需要が増加すると予測している。