ICT総研は6月24日、スマートデバイス需要動向調査結果を発表した。スマートフォンとタブレットをあわせたスマートデバイスの出荷台数は2013年度に前年比107%の3679万台となった。過去2~3年の爆発的な増加ペースほどではないが、タブレット端末の順調な増加を背景に年間で過去最高を記録した。
3679万台という出荷台数は、ノートPCやフィーチャーフォン(従来型携帯電話)の3.3倍であり、持ち歩くためのデバイスとして完全に主役の座を射止めた感があると表現している。今後も引き続き堅調に増加していき、2017年度には2013年度比18%増の4352万台となる見通し。
(ICT総研提供)
スマートデバイスの内訳をスマートフォンとタブレット端末で見てみると、タブレット端末の伸びがスマートデバイスの出荷台数を牽引していることが分かる。スマートデバイスに占めるタブレット端末の割合が着実に拡大しており、2013年度はタブレット端末の割合が19.4%に拡大、2017年度には28.6%にまで拡大すると見られる。2015年度にはタブレット端末の年間出荷台数が1041万台と、ノートPC出荷台数見込み(852万台)を逆転する見込み。
(ICT総研提供)
PCやフィーチャーフォンと比較すると、スマートデバイスの法人ユーザーの利用はまだまだ限定的となっていたが、PCとのソフト互換性の高いWindowsタブレットのラインアップが充実してきており、セキュリティ面の不安が徐々に解消されてきたことなどから法人向け市場は年々拡大。2013年度はスマートデバイス全体の9.9%(364万台)が法人向け出荷となった。ノートPCの代替需要も今後増加していくことが予想されており、個人向けに比べて高い伸び率で増加していく見通し。
スマートデバイスの利用状況の実態について、約4000人のモニターにアンケート調査した。実際に外出時に普段持ち歩く端末は何なのか、1年後の時点ではどのような端末の組み合わせが理想と考えているのかを聞いた。
その結果、現時点では外出時に「2台以上」の端末を持ち歩くユーザーは26.1%だが、1年後には35.5%と、2台以上の端末を持ち歩きたいとする回答者の割合が増加している。「2台以上持ち歩く」とした回答者が支持する端末の組み合わせは、「スマホ+タブレット(WiFiモデル)」が現時点で15.6%、1年後の理想でも22.5%とトップとなった。
現時点で持ち歩いている組み合わせとしては、「スマホ+フィーチャーフォン」(15.3%)も割合が高いが、1年後にはその割合はぐっと減少する。一方で、「フィーチャーフォン+タブレット(WiFiモデル)」は1年後には10.4%と伸びが著しいなど、通信料や使い方次第で、ユーザーが求める端末の組み合わせも、より多様化するものと考えられる。
携帯電話事業者各社が通信料を分け合えるプランをが次々と開始しており、今後のスマートデバイス市場の行方にも影響を与えると考えられる。
(ICT総研提供)