英国のテクノロジ企業に空いた職位の空白を埋められなければ、新しいプロジェクトは完了できないまま積み上がり、成長にブレーキがかかるだろう。それ以上に悪いシナリオもあり得る。開発者は英国のバーミンガムと同じようにパリから遠隔で働くことも可能であり、多くの企業は単に国外で勤務する開発者を雇うかもしれず、これが英国のテクノロジー産業のさらなる弱体化を招く可能性もある。
EUの離脱に対する投票が、英国のITプロフェッショナルのキャリアを脅かしているアウトソーシングをさらに推し進めるきっかけになるとすれば、皮肉な事態だ。
またこの数年、ロンドンは欧州でスタートアップを起業するのに適した都市としての評判を高めていた。しかし、ロンドンのアクセレレータやスタートアップインキュベータはまだ活動を始めてから日が浅く、EU離脱の衝撃はよい影響を与えないだろう。
国際金融センターとしてのロンドンの地位が脅かされれば、金融サービス企業の技術開発に力を入れてきたロンドンのスタートアップ界にとっても打撃だ。ロンドンに近い「シリコンラウンダバウト」が成功した理由の1つは、この都市が金融都市だということだった。
ロンドンの銀行の数が減れば(EU離脱後にはそうした事態が起こる可能性もある)、これらのスタートアップの顧客や投資家の数も減ることになる。また、銀行がパリやフランクフルトに拠点を移せば、これらのスタートアップも追随する可能性がある。フィンテック以外の分野のスタートアップも、新たな資金を調達することが難しくなるかもしれない。
さらに大きな問題は、それらの会社を立ち上げた起業家が、ロンドンに住み続けるかどうかかもしれない。起業家がビジネスをしたがる国、賢い開発者が住みたがる国としての英国の評価は、大きなリスクに晒されている。認識は現実と同じくらい重要だが、国民投票キャンペーン中(およびその後)の言動の一部は、世界的な英国の評判を高めるのに役立ったとは言えない。
多くの問題は、英国政府が今後数カ月から数年で、EU離脱のプロセスをどのように進めるか、そして政府がどのような説明を行うかに掛かっている。
英国の多くのテクノロジ企業も、同じ幅広い視野で英国のEU離脱に反応しつつあり、失望を表しつつも、自分たちは前に進み、成功すると述べている。それは本当かもしれないし、平静を装っているのだろう。しかし多くの企業は、今後数年間の先行き不安は余計だとも考えているに違いない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。