ストレージをオールフラッシュにすることで、社内のITやビジネスの何が変わっていくのか。フラッシュストレージに関わるベンダー5社に集まっていただき、座談会を開催した。今回は3回目。参加したのは以下の5人。(第1回、第2回)
- ソリッドファイアージャパン 技術部長 松浦敦氏
- 日本IBM ストレージ・システム事業部 ビジネス開発 今井達也氏
- EMCジャパン XtremIO システムエンジニア 水落健一氏
- 日本ヒューレット・パッカード プリセールス統括本部 ストレージ技術本部 ストレージ技術2部 シニアITスペシャリスト 岩野義人氏
- ピュア・ストレージ・ジャパン SE部長 志閒義治氏
どこまで適用できるか
――特に成果を出している事例について教えてください。
EMCジャパン XtremIO システムエンジニア 水落健一氏
水落氏 EMCのオールフラッシュアレイシステム「XtremIO」の発売は2年ほど前でしたが、当初から導入が進んだのは仮想基盤、特に仮想デスクトップ基盤でした。一般的に重複排除やデータ圧縮は、データの構造や同じものをどれだけ置いているかによって効果が変わるものですから、同じようなサーバの中に同じようなOSがある仮想基盤では効果が高くなります。例えばWindows Serverが2つあって、同じOSのバージョンであれば、それは重複排除が効くという算段ですね。
その最も顕著な例が仮想デスクトップで、WindowsのCドライブがたとえば100人で同じCドライブを使っていたら、全部重複排除が効きますから、2年前から導入が進みました。XtremIOの持つ重複排除機能が非常に大きかったと思います。その次に出てきたのがデータ圧縮、つまりコンプレッションの部分ですね。重複排除は同じものがないと効果が出ませんが、データ圧縮はデータ構造そのものによって効果が変わります。
重複排除とは違ったデータの削減の部分ですので、コンプレッションがどれぐらい効くかというところなのでが、仮想基盤に乗ってくるアプリケーションを見てみまると、例えばデータベースですと一般に重複排除が効かないといわれています。例えばOracle DatabaseではブロックをそれぞれにユニークなIDを差し込みますので、データそれぞれが別のデータのようになります。
そのため重複排除は効きにくいのですが、コンプレッションは割と効きます。われわれの顧客では、仮想化で導入が進んで次に割と基幹に近いシステムで導入が進み、事例もその順序で増えてきています。