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会社の規模に関わらず、ネットワークのセキュリティは大きな懸念事項であるはずだ。今現在もどこかの企業のネットワークが悪者に攻撃されており、その攻撃の成功率は、本来あるべき姿よりも高い。それが、2016年の世界の現実だ。
Microsoftはこれまでも「Windows 10」に重要なアップグレードを施してきており、企業が攻撃に対抗するのを支援してきたが、データ漏えいは今でも珍しい話ではない。同社はWindows 10 Anniversary Updateで、強化されたセキュリティ機能を新たに追加するとしており、これによって、Windows 10が企業で唯一の現実的な選択肢になることを望んでいる。
Microsoftは同社の新ブラウザ「Edge」とその仕組みは、セキュリティ侵害を防止するのに役立つと強調している。Anniversary Update版のEdgeでは、Flashのコンテンツはブラウザの外部に隔離されるため、Flashの脆弱性を利用した攻撃の効果は減少する。また、Edgeと「Internet Explorer」に修正が加えられ、多くのWindowsサブシステムにアクセスできなくなっている。これによって、ウェブブラウザがそもそもアクセスできるべきでない、重要ではないシステムの脆弱性を利用した攻撃を制限することができる。
さらに、Windows 10 Anniversary Updateでは、「Windows Defender」もアップグレードされる。Microsoftはこれらの改善によって、すでに運用されているシステムの効果が向上すると述べており、2016年4月時点でのマルウェア検出率はすでに99.8%に達しているという。
Microsoftの多要素認証ソリューションである「Windows Hello」はすでにWindows 10に統合されているが、Anniversary Updateではさらに機能が追加される予定だ。Windows Helloを使用している顧客から最も要望が強い機能の1つは、ウェアラブルデバイスやその他のモバイルデバイスのサポートだ。例えば、従業員が指紋認証でスマートフォンやバッジにログインし、その認証済みのデバイスから、Bluetoothやその他の近距離無線通信技術を使って、デスクトップにアクセスできる機能が求められている。
Windows 10 Anniversary Updateには、いくつかの大きな新機能や機能のアップグレードが導入される予定だが、サイバーセキュリティ関係は特に手厚くなっている。残念ながら、今はネットワークの侵害が毎日のように報告されているような時代であり、Microsoftはこの分野に多くの開発予算を投じている。
同社は、Windows 10 Anniversary Updateは、史上で最も安全なWindowsになったと主張している。Microsoftは自社の名声を賭けており、安全な企業向けITプラットフォームを提供することに自社の未来を預けている。セキュリティを向上させるという同社の取り組みで重要なのは、企業がWindows 10を使っている必要があるということだ。
Microsoftは事実上、企業に選択を迫っている。もしWindows 10以前のバージョンを使っていれば、Microsoftが対応しない大きなセキュリティリスクを抱えることになるかもしれない。もし自分の会社がWindows 10を全面的に使っていれば、特にAnniversary Update以降であれば、Microsoftはよきパートナーとなるだろう。使っているのが特にWindows XPであれば、Microsoftは助けることができない。
現実問題として、Microsoftは古いバージョンのWindowsに幕引きをしようとしている。Windows 10の導入を避けている企業は、比較的近い将来、競争上の不利を抱え込んでいることに気づくかもしれない。Microsoftの観点から見れば、もはやWindows 10に対してノーという選択肢はない。それはMicrosoftに対する挑戦であり、それによってセキュリティが犠牲になるだろう。これは、2016年8月2日までにITプロフェッショナルが考えておくべきことの1つだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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