Salesforce.comがQuipを買収することで合意したことを明らかにした。これにより、Salesforceは生産性、コラボレーションツールを手中に収めることになる。
Quipはクラウドベースのコラボレーションソフトウェアで、チームでのドキュメントの作成や編集、チャットによるディスカッションなどが可能だ。スマートフォンにも対応しており、「Microsoft Office」「Google Docs」などと競合すると位置付けられている。料金は5ユーザーで月額30ドル。Facebook、Pinterest、Instagram、Al Jazeeraなどが導入している。
Quipの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるBret Taylor氏はFacebookの元最高技術責任者(CTO)を務めていた人物。Taylor氏は先に、米Twitterの取締役会に就任している。Salesforceが米国時間8月1日付で米証券取引委員会(SEC)提出した書類によると、買収金額は約5億8200万ドル。
Quipは買収の効果について、Salesforceの一部となることで自社製品のリーチを迅速に拡大できること、Quipが有する次世代の生産性機能でSalesforceの「Customer Success Platform」を拡張できることを挙げている。
Salesforceの投資部門Salesforce VenturesはこれまでにもQuipに投資している。Quipのブログでは、「ソフトウェアについて、クラウドで、モバイルの時代に向けて構築されており、ソーシャルであるべきという点で同じ哲学を共有している」と相性の良さを強調している。
買収後、Quipは完全子会社として運営され、Taylor氏が継続してQuipを率いる。