日立製作所は8月2日、クラウド環境におけるデータ運用管理の効率化に向け、ディスクアレイシステム「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)ファミリ」を強化し、同日より販売を開始すると発表した。
内容は、クラウドと連携しファイルデータを管理する「NASモジュール」をミッドレンジモデル3機種「VSP G400」「VSP G600」「VSP G800」に搭載できるオプションとして製品化したものと、ITインフラの運用自動化や性能を監視、分析するソフトウェア2製品。
販売を開始する製品の概要は以下の通り。
VSPファミリにファイルデータ管理機能を追加する「NASモジュール」
NASモジュールは、VSPファミリにファイルデータの管理機能を付加し、ユニファイドストレージとしてブロックデータやファイルデータなど多様な形式のデータを一元的、効率的に取り扱えるようにする。
これまで、多様な形式のデータを取り扱うためには、ブロックデータ管理用ストレージとしてVSPファミリを、ファイルデータ管理用ストレージとして「Hitachi NAS Platform(HNAS)」をそれぞれ導入し、組み合わせる必要があった。NASモジュールを活用することで、種類の異なる多様なデータを1台の装置で統合的に管理できる。
これにより、VSPファミリの性能・信頼性を維持しつつ、従来モデルに対し約50%の省スペースと約25%の省電力を実現し、データ管理にかかるコストを削減するほか、利用頻度や機密性が低いファイルデータをクラウドに自動で保管する「自動マイグレーション機能」も備え、データ保管にかかるコストを最適化できるという。
- VSP G400(NASモジュール搭載) 税別1435万円から(10月3日出荷開始)
- VSP G600(NASモジュール搭載) 税別2751万円から(10月3日出荷開始)
- VSP G800(NASモジュール搭載) 税別4678万4000円から(10月3日出荷開始)
ITインフラ運用自動化ソフトウェア「Hitachi Automation Director」
Hitachi Automation Director(HAD)は、クラウド環境などの運用における仮想環境構築や、ボリューム割り当てによる容量増設など、構成変更にかかる作業を自動化するソフトウェア。例えば、必要容量やバックアップ先の指定など最小限の要件を入力するだけで、ストレージ内の負荷状況を考慮し最適なボリュームを自動で用意するとともに、VMwareやOracleなどのアプリケーションとの接続設定なども自動で実行する。日立による検証では、例えばストレージ間のバックアップ環境の構築にかかる操作数を約90%削減でき、運用コスト削減に寄与する。
サブスクリプション・ライセンスにて月あたり2万4000円より(8月2日出荷開始)
ITインフラ性能分析ソフトウェア「Hitachi Infrastructure Analytics Advisor」
Hitachi Infrastructure Analytics Advisor(HIAA)は、システムの構成情報や性能状況を自動で収集、可視化し、性能監視や分析を容易にするソフトウェア。あわせて、システム変更履歴や負荷傾向も管理し、通常の傾向と異なる負荷検出時や性能問題の発生時には、変更履歴と負荷傾向の相関分析により、迅速な性能ボトルネックの特定を支援する。ストレージについては、ボリューム単位での性能・監視分析が可能。
サブスクリプション・ライセンスにて、月あたり1万8000円より(8月2日出荷開始)