ソラミツ、楽天証券は8月23日、ブロックチェーン技術を利用した本人確認(KYC:Known Your Customer、金融機関の本人確認手続き)システムの共同開発を開始したと発表した。
KYCとは、主に銀行に新規口座を開設しようとする個人・企業が実在するかどうかを確認するための手続きを指す。実在しない個人・企業の口座がマネーロンダリングやテロ資金口座に使われることを防ぐため、各国政府が銀行に対してKYCの厳格化を要求し、KYCの不備についての罰則を強化する動きがある。国内では、犯罪収益移転防止法(犯罪による収益の移転防止に関する法律)により、マネーロンダリング/テロ資金供給防止の目的で、金融機関や不動産・貴金属・宝石取扱事業者、弁護士/公認会計士などに、本人確認や取引記録保存などを義務付けている。
ソラミツは、ブロックチェーンを使って、犯罪収益移転防止法の規制対象になる特定事業者間で顧客のアイデンティティ(口座開設情報、住所などの更新、国内外への送金履歴)を共有するシェアリングエコノミーを開発中だ。今回は、楽天証券と共同で、このシェアリングエコノミーの要素技術の研究開発、既存システムとの融合、本格展開に向けた課題整理に取り組むとしている。