ブイキューブは9月2日、企業向けの動画管理基盤を提供する米Qumuと日本とアジア太平洋地域での戦略的パートナーシップを締結したと発表した。QumuがSaaSやパッケージで提供する動画管理基盤などの製品やサービスを販売するほか、共同で製品を開発する。
ブイキューブは、Qumu日本法人であるクムジャパンの経営に参画、互いの製品やサービスを取り扱い、拡販する。売り上げ目標は3年後にアジア領域で年間10億円。
Qumuは企業が動画を活用するための“エンタープライズビデオ”を提供するNASDAQ上場企業。内部統制やセキュリティに対応するために、セキュアな動画管理基盤を求める企業が増えており、全世界のエンタープライズビデオ市場は2015~2018年の年平均成長率21%程度で成長しているという。主にグローバル展開している企業向けに、役員メッセージや研修、最新情報の共有、ウェブ会議の共有などの用途で企業での動画活用が伸びていると説明する。
ブイキューブはこれまで、独自に動画配信基盤でリアルタイム動画や双方向コミュニケーションに注力してきたが、すでにこの領域で実績があるQumuと連携し、オンデマンド動画管理の分野にも注力するとした。
「エンタープライズビデオは開発の優先度を下げていた領域だが、顧客の引き合いもあるので対応を検討していた。多くの実績を持ち、われわれとの連携に前向きで柔軟性があるQumuとパートナーシップを結ぶことになった」(ブイキューブ 最高経営責任者 間下直晃氏)
間下氏は、エンタープライズビデオが伸びている理由として、テキストのマニュアルがあまり読まれず、動画で配信する企業が増えていると説明する。挨拶の仕方や機械の操作方法などのマニュアルを動画にして、店舗のスタッフに学習させる企業が世界的に増えているとした。これに加え、日本でも在宅勤務を推奨するような企業や、グローバル展開を推進する企業が増えている状況から、ウェブ会議とともにエンタープライズビデオ領域が伸長するとの考えを示した。
一方、オンデマンド動画は長さ数分以内に納めないとなかなか視聴してもらえないと説明。エンタープライズビデオを広げていくには動画の編集が重要とした。
Qumuの最高経営責任者(CEO) Vern Hanzlik氏はエンタープライズビデオで同社の動画管理基盤を利用している顧客はグローバル企業で大手企業ばかりであり、オンプレミスで提供している点が顧客に評価されているとした。製造、金融などはサイバー攻撃のリスクからオンプレミスで利用するケースが増えているという。Qumuは日本ではIIJや富士通などでの実績があり、Gartnerの動画配信管理分野で「マジック・クアドラント」でリーダーのポジションにいるとアピールした。
ブイキューブ 最高経営責任者(CEO) 間下直晃氏(左)QUMU CEO Vern Hanzlik氏(右)