パナソニック ソリューションテクノロジーは9月9日、帳票OCR(光学文字読み取り)ソフトの最新版「帳票OCR Ver.8」を発売すると発表した。“自由手書き文字”の自動認識に対応する。クライアント版の税別価格は39万8000円。
帳票OCRは、スキャンした注文書、勤怠管理表、アンケートなどの帳票画像から、活字、手書き文字、チェックマーク、バーコード、QRコードなどを認識し、編集可能な電子データに変換する。高精度OCRエンジンは、かすれなどの低品質文字にも強いとされる。帳票画像のファイル名自動設定、フォルダ振り分け、自動分割などのリネーム、保存機能も備える。
“手書き文字”はこれまで、文字ごとに枠で区切られたテキストにのみ対応していた。そのため、自動認識できないテキスト情報は目視入力で補完する必要があり、利用者からは改善要望が多く寄せられていた。
新版では、同社独自の文字解析技術を新たに導入。文字の形状を見分け、1文字ずつ切り出すことが可能になり、罫線で区切られていない“自由手書き文字”も認識できるようになった。
“自由手書き文字”のイメージ(パナソニック ソリューションテクノロジー提供)
このほかにも、ディープラーニング技術による手書き文字(数字)の認識精度向上、マスタデータによる突き合わせチェック機能、QRコードのモデル2、バージョン1対応――がある。
活用例としては次のようなケースが挙げられている。
- 手書きの申込書に記入された名前などの情報を読み取ってシステムに登録。受注処理と顧客管理を効率化
- 手書きの問診票の記入内容を認識してデータベースに登録。医療サービスの付帯作業にかかる手間を軽減
- 注文書に記載されている商品名や金額をマスタデータと突き合わせ、読み取り結果を業務システムに入力
- アンケートハガキの小さなスペースに印字されたQRコードを読み取り、顧客ニーズの分析と商品開発を迅速に連携