NECは、データウェアハウス(DWH)システムをPaaSとして提供する「ビッグデータ分析基盤Data Platform for Analyticsサービス」の販売活動を9月1日から開始した。11月からサービスを提供する。
オンプレミスでの垂直統合型のDWHシステム「Data Platform for Analytics」と同等の機能を「NEC Cloud IaaS」に構築し、PaaS型で提供する。大規模データの高速分散処理に優れ、データベース設計を自動でチューニングできるという「HPE Vertica」をベースにしている。通常2カ月を要していたオンプレミス型での導入と比べて短期間での構築が可能で初期投資も抑制とメリットを説明している。
データ量の増大や処理性能の強化については、NEC Cloud IaaSのセルフサービスポータルから仮想のサーバやストレージなどを追加するだけで、迅速かつ容易に事業環境の変化に対応できるという。
今回のDWHシステムは1Tバイトという小規模分析データ容量から導入できるため、中堅中小企業や大企業の一部門でも容易にDWHを活用できるという(従来は16TBから)。従来のオンプレミス型のData Platform for Analyticsと同様のソフトウェアを用いるため、アーキテクチャの違いを意識することなくデータを移行できると説明する。
例えば、まずクラウドサービスでスモールスタートでDWHシステムの投資対効果を検証し、大規模導入の際にはオンプレミス型で専用サーバ環境へ移行するなどの運用も可能としている。
新サービスを提供するNEC神奈川データセンターは、クラウドとハウジング環境を兼ね備えたハイブリッドデータセンターのため、10Tバイトを超える大規模なDWHが必要になった際には、ハウジング環境に専用サーバを追加し、LAN接続でデータ連携も可能という。
NECは新サービスをSASやMicroStrategyといった分析ツール、データサイエンティストによるデータ分析コンサルティングサービスと組み合わせて、トータルサービスとしても提供する。例えば収集したデータを商品の需要予測や設備の予防保全、製造プロセスの改善などに活用するといったことも可能となる。
NECはサービスの提供開始とともに、これまでの国内販売での日本ヒューレット・パッカードとの協業関係をさらに強化し、顧客に対しての共同販売プロモーションや共同提案体制の構築、専任技術者育成やCertificationの取得推進を行っていくとしている。
税別価格は4NCU×8vCPU、メモリ48Gバイト、システムディスク200Gバイト相当で分析データ容量1Tバイトのシングルノードで月額48万円。NCUとはNEC Cloud IaaSのCPU性能を表す指標で、「NEC Cloud IaaS Compute Unit」の略。1NCUは2013年基準のXeon 1コアの1/4に相当する。